iPhone以来のイノベーション? 「ロボホン」はグローバルに成長できるか
初代iPhone以来のイノベーション?
長谷川祥典専務は「グローバルで受け入れられる商品になっていると思う」と自信を示した。共同開発者として会見に同席したロボ・ガレージの高橋智隆社長も「個人的に、初代iPhone以来のイノベーションではないかと思う」と胸をはった。 今後、ロボホンは月5000台、年間6万台を生産し、半年以内の黒字化を目指す。グローバル展開も視野に入れており、まずは年内をめどに、事前調査で評判の良い東南アジア諸国での商品展開を図りたい考えだ。3年後には、ロボホンを含む人工知能を活用した家電製品で、約1兆円とされる全家電製品の売上高の1/3を稼ぎだしたいとしている。 一方、「シャープは日本の企業ではありません。シャープはグローバルな企業です」と強調した郭台銘会長にとって、ロボホンの存在感は現時点で薄いようだ。「その他にもいろんな製品があり、なかなかきっちり説明する時間が取れていないが、ロボット事業の立ち上げは難しいのしっかりやってほしいと言われている」と長谷川専務。グローバルで戦えるというロボホンは後回しになっている印象だ。 郭台銘会長は、有機ELに対してシャープのIGZOの優位性を何度も強調したが、IGZOの搭載は見送られた。約2型という小型サイズのIGZOが存在しないという理由で、従来のアモルファスシリコン技術を用いたパネルを採用したためだという。 シャープの創業者である早川徳次氏の残した言葉の1つに、「他社にまねされる商品をつくれ」がある。シャープは過去、液晶画面を搭載したビデオカメラの液晶ビューカムや、カメラを搭載した携帯電話など、この言葉を体現する商品を世に送り出してきた。長谷川専務は「まねるのは大変だと思うが、まねをしたいと思われるような商品にはなった」と話した。 (取材・文:具志堅浩二)