広島県安芸高田市向原町で空き家連続窃盗か 安芸高田署、周辺で窃盗容疑の男を逮捕 「週末深夜」に捜査の網
広島県安芸高田市向原町内で今春以降、空き家狙いの窃盗事件が少なくとも4件発生していた。安芸高田署は一連の捜査で同一犯による「週末深夜」の犯行と分析。9月の土曜夜、捜査員を町内に重点配置し、姿を現した広島市西区の会社員男(56)をうち1件に関与したとして逮捕、送検した。過疎化が進む中山間地域では空き家が多く、同署は改めて注意を呼びかけている。 【写真】広島県警安芸高田署 同署によると4~9月に同町有留、保垣、戸島で計4件の被害を把握。いずれも勝手口のドアが壊され、室内を物色した跡があった。現場は主要道に近い脇道。同署は手口などから同一犯とみて捜査を進めた。空き家の場合、被害の発覚が遅れ、犯行時間帯の特定は難しい。周辺の聞き込みや防犯カメラの映像の精査などで絞り込んだ。 土日の深夜―。そう見立てた同署は9月14日午後9時、急きょ複数の捜査員を主要な交差点付近に配した。間もなく周辺で停車中の不審車両を発見し、男を職務質問。車内にバールとマイナスドライバーがあった。男は9月の犯行について認め同署は翌15日、邸宅侵入と窃盗容疑で逮捕した。 逮捕容疑は、9月3日午後4時半ごろから同8日午前9時20分ごろまでの間に、向原町戸島の空き家に侵入し、ギター1本(2万円相当)を盗んだ疑い。 同署によると、男の自宅から被害品のギターを押収。当時、狙った空き家周辺の消灯状況を確認するため一時待機していたとみられる。「侵入窃盗事件は体感治安に大きく影響する」と松本茂康次長。同署は転売目的とみて、他の事件との関連も慎重に調べている。 市によると、2021年度調査で市内全1万3400戸のうち15・6%の2093戸が空き家だった。同署は「絶対に室内に貴重品を残さず、施錠の徹底や防犯カメラの活用を」と促し、被害を確認した時点での速やかな通報を求めている。
中国新聞社