池上彰氏の番組内容「テレビで放送すべきではありません」「俗説中の俗説」批判の専門家を直撃
有名人ブログから抜粋しただけの「コタツ」記事
テレビ以上に、ここ数年で特にネットリテラシーは一気に悪化した感があります。Xでもインプレッションを稼ぐためだけに嘘か本当か紛らわしい情報をそれらしく流すアカウントや、TikTokでも著作権を無視した切り抜き動画が量産されており、「切り抜きでしかテレビは見ない」と豪語する若者も少なくありません。 「切り抜きで見たから元のコンテンツは見なくてもいいとなると、元のコンテンツの制作者は意欲が下がりますね。それから、タレントなどの文章や発言を「まず」「そして」などでつないだだけの「コタツ記事」も増えました。私は『原文盗用型』と呼んで批判しています」(飯間浩明さん) 「私自身の投稿もそういうコタツ記事になっているのを見つけたことがあって、がっかりしました。その種の記事が、元のSNSやブログのアクセス増加につながるかというと、あまり期待できません。元の記事から、記者が鋭い視点でニュースバリューを作り出すというのなら分かりますが、単にコピペして、自社のニュースサイトのアクセス数を上げるというやり方は倫理性を問われます。 『諸説あり』とごまかす番組や、TikTokの切り抜き、コタツ記事などに慣れてしまうと、『とにかく面白ければいい』という考え方に陥っていきます。たしかに、“ニッポン”が“ニホン”になった理由も、女子高生の『わい』のルーツも、人命に関わるようなものではありません。どうでもいい人にとってはどうでもいい。 でも、その『どうでもいい』の積み重ねが、事実に対する感度を鈍らせることになります。事実の軽視がどういう事態につながるか、私たちはもっと警戒すべきです」(飯間浩明さん) なんとなくテレビやネットを鵜呑(うの)みにしてしまうことは、現代では極めて危険なことだということですね。情報に触れたら「本当にその情報は正しいのか?」と少し疑問に思うだけでも事実への感度が鈍ることを防げるはずです。 <文/女子SPA!編集部> 【女子SPA!編集部】 大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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