道の駅十和田湖に建立された和井内夫妻の像

　十和田湖のヒメマス養殖や観光宣伝に尽力し「ヒメマス養殖の父」「十和田湖開発の父」と呼ばれる和井内貞行（秋田県鹿角市出身）と妻カツの銅像の除幕式が10日、十和田湖畔に新設された「道の駅十和田湖」（秋田県小坂町）で行われた。 　銅像は青森県・秋田両県の有志による「十和田湖畔に和井内貞行の銅像を建てる会」が建立した。私財をなげうってヒメマス養殖を推進し、十和田湖の国立公園認定にも貢献した貞行と、貞行を支えたカツの功績を後世に伝えようと貞行没後100年の2022年に会を発足。寄付を募って制作費約1800万円を集め、昨年完成した。約20年間にわたり養殖事業に取り組んだ末、ついにヒメマスの定着に成功し、カツに呼びかけるように湖面のヒメマスを指さし喜ぶ貞行と、夫をねぎらい、ほほ笑むカツの姿を描いている。 　除幕式は道の駅の竣工（しゅんこう）式典に併せて行われ、同会の宮信会長（とわだこ賑山亭代表取締役）が「この道の駅が夫婦愛の聖地になり、湖畔観光の発展につながってほしい」とあいさつ。銅像を制作した石澤暁夫さん（青森市）は「貞行翁は、苦労をかけた夫人への感謝などさまざまな感情が交錯し、感慨深くヒメマスを見つめる表情。夫人は一大事業を成し遂げた夫への敬愛の表情を表現した」と述べた。 　道の駅は昨年秋に開業予定だったが、町の事務手続きの遅延で1年延期した。オープンは12日で、同日と13日には記念イベントを開き、ミニライブやオリジナルワインとヒメマス魚醤（ぎょしょう）のプレゼント（両日とも先着30人）が行われる。