今日開幕!全国高校サッカー選手権の逸材5人。元Jリーガーからフットサル二刀流まで
年末年始を彩る風物詩のひとつ、第97回全国高校サッカー選手権大会が30日から首都圏の9会場を舞台に開催される。連覇を目指す前橋育英(群馬県代表)、前回大会の決勝で敗れた雪辱を期す流通経済大学柏(千葉県代表)をはじめとして、1月14日の決勝戦(埼玉スタジアム)での歓喜のシーンを目指して、熱き戦いを繰り広げる全48校のなかから5人の次世代ヒーロー候補をピックアップする。 ■西川潤[FW/神奈川・桐光学園2年/181cm・64 kg] 2年生にして今大会の主役を演じられる可能性を秘めた、左利きのアタッカーが西川潤だ。横浜F・マリノスジュニアユース出身。将来を嘱望されながらも「選手権に出たい」と望み、厳しい練習を覚悟のうえで桐光学園へ進学。入学直後から、かつて中村俊輔も背負った「10番」を託された。 今夏のインターハイでは、得点ランク2位の6 ゴールをマークしてチームを準優勝へ導いた。年代別の日本代表でも常連で、西川の活躍もあってすでに出場権を獲得している、来年10月のFIFA・U-17ワールドカップ(ペルー)でもエースとして期待されるなかで、12月に入ると新たな目標へ向けた視界も良好になった。 ブラジルへ遠征したU-19日本代表に16歳ながら「飛び級」で初めて抜擢され、同学年の久保建英と同じ土俵に立った。チームは来年5月下旬から開催される、FIFA・U-20ワールドカップ(ポーランド)の出場権をすでに獲得している。その先に待つ東京五輪出場をも見すえながら、複数のJクラブが熱い視線を送る未来のスター候補は初めて臨む全国選手権を心待ちにしている。 ■三國ケネディエブス[DF/青森・青森山田3年/192cm・80kg] ナイジェリア人の父と日本人の母に生まれた三國ケネディエブスは、東京・東村山市で活動する東京NOBIDOME FCから青森山田中へ進学。しなやかさを併せもつ大型ストライカーとして台頭し、3年次に出場した全国中学校サッカー選手権では大会得点王を獲得した。 青森山田高に入学後はセンターバックとの併用でプレーしてきたが、今春からはセンターバックへ正式にコンバートされた。規格外のサイズを誇る体に宿っていた、稀有なポテンシャルが急速に解き放たれてきた跡は、Jクラブ所属選手で構成されたU-19日本代表が臨んだ10月のAFC・U-19選手権(インドネシア)へ、唯一の高体連所属選手として抜擢されたことが物語っている。 迫力満点のヘディングで攻守両面において制空権を握るだけでなく、相手チームの俊足FWに対応できるスピードをも搭載している。卒業後はJ2のアビスパ福岡入りが決まっている将来の日本代表候補は最後となる全国選手権で、2年前に兄スティビアエブス(現順天堂 大学2年)が勝ち取った初優勝の再現を狙う。