【速報】“ジョッキでビール8杯” その後もハシゴ酒… 飲酒運転で親子死傷 懲役12年の判決不服として31歳被告が「控訴」 遺族「罪の重さ分かっているのか疑問で残念」
遺族が意見陳述で憤り「幸せな家族の日常がめちゃくちゃにされてしまいました」
遺族の意見陳述によれば、亡くなった大久保春江さん(当時82)は、全盲の孝之さん(51)を支え続けた存在でした。点字を習得したり、孝之さんが営む整骨院の経理業務を行うために、パソコンの操作を習ったりもしていたといいます。 (9月19日の意見陳述) 遺族 「被告は約9時間も飲酒し、ハンドルを握った。なぜその行為が危険だと認識しなかったのでしょうか」 「幸せな家族の日常がめちゃくちゃにされてしまいました」
求刑通り懲役12年の判決
大阪地裁堺支部(武田正裁判長)は9月24日の判決で、危険運転致死傷罪の成立を認定。そのうえで、「自宅を出た時から飲酒運転する意図があったとは認められないが、安易に自動車で酒席に赴いた上、帰宅に際し、代行運転の依頼や他の交通手段の利用も容易だったのに車を運転した。同情の余地はない」「被告なりの反省の言葉は述べているが、反省はいまだ不十分と言わざるをえない」として、検察側の求刑通り、岩井拓弥被告に懲役12年を言い渡しました。
判決を受け全盲の息子 涙こらえ…「なるべく“事故前の自分”を取り戻していきたい。そうすることで母親も安心してくれるだろうと思う」
判決公判後には、事故で外傷性くも膜下出血などの重傷を負った、全盲の大久保孝之さん(51)が取材に応じ、時に涙をこらえながら心境を語りました。 母親の春江さんを亡くし、自らも重傷負った大久保孝之さん(51) 「(裁判所が判決で)最大限の懲役12年を出してくれたことに対しては、非常に私は納得していますし、感謝しています」 「事故の時に僕と一緒にいた母親に伝えたいと思います。求刑通りの刑が出たよと報告したいと思います」 「過去には帰ることはできませんので、僕の将来を母親は(天国から)気にしてくれていますので、なるべく“事故前の自分”を取り戻すということをしていきたい。そうすることで母親も安心してくれるだろうと思います」
判決を不服として被告本人が控訴
大阪地裁堺支部によりますと、判決を不服として10月4日、岩井被告本人が大阪高裁に控訴したということです。 大久保孝之さんはMBSの取材に対し、「(求刑通りの判決だったので)これ以上は刑は重くはならないわけで、少しでも刑を軽くするために、控訴するだろうなと予想はしていました。ただ、犯した罪の重さを被告が本当に分かってくれているのか疑問だし、残念です」とコメントしています。 (MBS大阪司法担当 松本陸)
【関連記事】
- ▼【事故直前のドラレコ映像詳細】運転中に停車し居眠りか…その後センターラインを何度もはみだし事故が発生
- 【遺族の証言】「事故直前から丸1日記憶がない」自身も重傷を負った全盲の息子 被告には「罪にきちんと向き合って」
- 【画像を見る】事故現場に残された電柱の傷
- ▼妻がポツンと「子ども何でできないのかな」14歳で“強制パイプカット”された夫は意を決して秘密を打ち明けた 最高裁が「歴史的判決」旧優生保護法は憲法違反
- ▼【裁判詳報】紀州のドン・ファン殺害事件 “しゃがれ声”の『覚醒剤の売人』出廷し証言 注文受け数時間で和歌山・田辺市へ…「路地の暗い場所で渡した」「女性に4~5グラム売った」元妻と売人仲間の携帯電話に通話履歴も