世界の温室効果ガス濃度、最高を更新 厳しい現状の中30日からCOP28
UNFCCC事務局が公表した報告書は約40ページにわたり、パリ協定に加盟する75カ国が提出した温室効果ガス排出削減目標を詳しく分析している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は「1.5度目標」を達成するためには2030年の排出量を19年比で43%減、35年には60%減らす必要があるとしている。これに対し同報告書は各国の削減計画による排出量の推移を詳しく分析した。 分析の結果、各国がそれぞれの排出削減目標を達成できた場合、世界全体の排出量は19年と比べ25年には1%増加するが20年代にピークに達し、30年には2%減るとのデータが出た。発展途上国が削減に成功すれば30年の排出量は5%減少。50年段階の削減目標を提示した国は少なかったが、これらを分析すると排出量は10年比で60%、19年比で64%それぞれ減るという。 しかし、このペースでは「1.5度目標」には遠く及ばないと指摘。この報告書に合わせてグテレス国連事務総長は「世界は気候危機への対処に失敗しつつある」と厳しいコメントを寄せた。