ロケットラボが「エレクトロン」ロケット通算47回目の打ち上げに成功 韓国の衛星とNASAの衛星を搭載
■韓国の地球観測衛星「NEONSAT-1」
NEONSAT-1は韓国科学技術院(KAIST)の地球観測衛星で、災害対策利用や安全保障利用を目的としています。韓国は1機の試験機と10基の衛星から構成される衛星コンステレーション「New-space Earth Observation Satellite Constellation for National Security」の構築を目指しており、NEOSAT-1は衛星コンステレーションの試験機です。残りの10機は2026年と2027年に打ち上げられる予定となっています。 KAISTによると、衛星には解像度モノクロ1m、カラー4mで撮影可能な光学カメラが搭載されており、高度400~500kmの太陽同期軌道から地上の観測を行います。衛星の開発はKAISTの衛星技術研究センター(SaTReC)が担当し、製造は韓国の衛星企業Satrec Initiativeが担当しました。
■NASAの「ACS3」
ACS3はNASAの超小型衛星で、ソーラーセイルを搭載しています。ソーラーセイルは帆に当たった風を推進力として動くヨットに似ており、宇宙空間で広げた帆が太陽光を受けた時に発生する太陽輻射圧を推進力として利用する技術です。今回のミッションでは太陽光を受ける帆を展開する技術実証を行います。 衛星の搭載時は12Uサイズ(1Uサイズは10×10×10センチ)の超小型衛星ですが、帆が展開されるとその大きさは約80平方メートルになります。NASAによると、太陽とACS3の位置条件が合った場合、全天で最も明るい星といわれる「Sirius(シリウス)」ほどの明るさに輝く可能性があるとしています。 NASAによると、技術実証で得られたデータはより大きいソーラーセイルの設計に使用されます。またソーラーセイルは太陽風など地球へ影響を及ぼす天体現象を観測する宇宙天気早期警戒衛星や小型天体の観測ミッションなどで使用される見込みです。また軽量かつコンパクトな収納方法は月面基地や火星基地の建設などで利用される可能性もあります。 Source Rocket Lab – Beginning Of The Swarm Rocket Lab – Rocket Lab Successfully Deploys Satellites ~500km Apart to Separate Orbits For KAIST and NASA Rocket Lab – Rocket Lab Signs Deal to Launch South Korean Satellite NASA – NASA Next-Generation Solar Sail Boom Technology Ready for Launch SpaceNews – Electron launches South Korean imaging satellite and NASA solar sail
出口隼詩 / sorae編集部