広島じゃけん《お好み焼き》(5)フライパンで作ってみんさい 本場のレシピ
THE PAGE
“うまいもん”の宝庫、広島。なかでも、“お好み焼き”はその代表格だ。地元のソウルフードの地位にとどまらず、今では全国で広く支持されるようになった。 広島のお好み焼きは、いつどのようにして誕生し、どのように広まっていったのか。その歴史や足取りをたどりながら、魅力を紹介していく。
もう30年以上前の話。 内職の洋裁をしていた母が昼になっても忙しい時、当時まだ出たばかりの500円玉を渡されて「これでお好み食べといで。」とよく言われた。その硬貨を握り締めて、少し坂を登った所にある店に通ったのが一番古いお好み焼きの記憶だが、似たような経験を持つ広島県民は多いだろう。 高校卒業と同時に広島から離れて都会に移り住み、自炊を始めた。しかし、たまにお好みが食べたくなっても近くに店が無く、仕方無いのでお好みソースだけを手に入れて自宅で焼き始めた。最初は“具が多い焼きそば”になったものだが、手順の工夫でなんとか形になってきた。全くの我流で、勿論お店に行き鉄板の上のアツアツをヘラで食べるのには到底敵わないが、自宅で家族に振る舞うのは、また別の“味”がある。 関西風に全て混ぜてしまえば苦労は少ない。しかし作るのが面倒でも、麺やキャベツが複数層に分かれていて別々の味が楽しめる“広島焼き”が好きだからしようがない。お好み焼き記事の締めくくり。食べたくなった人へ、基本的な作り方を紹介する。
【材料】 ・小麦粉(薄力又は中力粉)…水に溶いて生地に使うが、塩、青海苔、山芋やアミエビ等を加えても美味しい。 ・キャベツ…5リ前後に切って準備しておく。身の詰まった冬キャベツをお勧めする。春キャベツは焼き時間を短めに。 ・魚粉・イカ天…魚粉はなんでも可。イカ天は天かすでも可 ・とろろ昆布・大葉…とろろ昆布は特に「うどん」に合う。大葉は刻んで入れると味がサッパリして香りも良い。 ・麺類(そばorうどん)… 専門店はラーメンに使うような一玉70円程度の生麺を使いますが、家庭用はお好みで。今回は一玉30円の茹で麺を電子レンジで温めて使用。 ・卵2個・スライスした豚肉…3枚肉でもミンチでも、小間切れでも可。鶏肉で親子丼風もアリだし、牛肉も美味しそう。