雪解けの濁流、危うく流されそうな水辺で巣の材料調達 カワガラスが一足早い子育て準備
水辺の野鳥、カワガラスが長野市の裾花川沿いの崖で巣作りしている。近くの岩から採ってきたコケをくちばしいっぱいにくわえ、つがいで協力して作業している。 【写真】つがいで協力して巣作りするカワガラス
時々雪がちらついた23日は、周囲でシジュウカラやセグロセキレイの雄が求愛するさえずりが響く中、カワガラスは一足早く子育ての準備を進めていた。「ビッ、ビッ」と鳴き交わし、譲り合うように交代しながら巣に出入り。休みなくコケを運び、巣の入り口や奥の壁に張り付けていた。コケを採集する岩のすぐそばを流れる川が雪解け水で勢いを増し、流されそうになることもあった。
日本野鳥の会長野支部長の藤田伸二さん(67)=長野市信州新町=によると、カワガラスは同じ地域に一年中とどまる「留鳥」。川の上中流域に暮らし、水中で水生昆虫や小魚などを捕まえて食べるという。晩冬の早いころに繁殖期が始まる。