中国の金需要、数カ月以内に回復の見通し 景気懸念で代替投資先
Sherin Elizabeth Varghese Rajendra Jadhav [ベンガルール 26日 ロイター] - 業界関係者は、中国の金需要について、景気の先行きや通貨安への不安を背景に今後数カ月以内に回復すると見込んでいる。 UBSのストラテジスト、ジョニ・テベス氏は、中国では景気の先行き不透明感や通貨安懸念、不動産セクターの長期低迷により、代替資産としての金の魅力が高まり、投資先としての関心は根強いと指摘。今年後半に需要は回復すると予想している。 「価格が引き続き最高値を更新すれば、宝飾品業界には若干の逆風となるが、これは投資面での関心によって相殺される」と指摘する。 世界金協会(WGC)によると、中国人民銀行は2023年に差し引き723万オンスの金を購入し、世界最大の金購入者となった。 「中国の買い手は価格上昇に適応しつつある」とシンガポールを拠点とする大手金地金供給銀行のディーラーはインドでの会合で語った。 「7月は様子見姿勢だったが、最近になって投資需要が再び高まっている。それに伴い値引き幅は縮小している」と述べた。 金価格は年初から22%上昇し、1オンス=2531.60ドルと、20年以来の高値となった。 米利下げ見通しや地政学情勢の緊迫化、投資目的の購入増加などが金価格を押し上げている。 メタルズ・フォーカスのマネージング・ディレクター、フィリップ・ニューマン氏は「価格がどう動くか、消費者や投資家がどれだけ早く価格に適応できるか、そして中国経済がどう推移するかを注視する必要がある」とした上で、「全般的には今年後半についてはかなり楽観的だ」と述べた。