79回目「原爆の日」誓い新たに 被爆地の1日ドキュメント 広島
広島に原爆が投下され79年。祈りに包まれた被爆地の1日を追いました。 厳しい暑さへの対策が行われるなか迎えた79回目の「原爆の日」会場への入場規制が強化され、演台の後ろには防弾パネルが設置されるなど厳重な警戒態勢がとられました。 被爆者の平均年齢は今年85、52歳に・・・ 原爆死没者名簿にはこの1年で新たに5079人の名前が記され、亡くなった被爆者は34万4306人となりました。 平和宣言では松井市長が「核抑止力依存」からの転換を訴えます。 広島市 松井一実市長「国際問題を解決するためには拒否すべき武力に頼らざるを得ないという考えが強まっていないでしょうか。混迷を極めている世界情 勢をただ悲観するのではなく、希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができるはずです。必ずできます」 今年の式典には核保有国のアメリカやイギリスなど109カ国とEUの代表が参列。パレスチナのほかロシアやベラルーシの招待は見送られた一方、ガザでの戦闘が続くイスラエルは招待されました。 湯崎英彦知事「現在も、世界中で戦争は続いています。強い者が勝つ。弱い者は踏みにじられる。国連が作ってきた世界の秩序の守護者たるべき大国が、公然と国際法違反の侵攻や力による現状変更を試みる。それが弥生の過去から続いている現実です」 岸田総理は総理として3回目の挨拶です。 岸田総理大臣「核軍縮を巡る情勢は一層厳しさを増しています。しかし、『核兵器のない世界』への道のりがいかに厳しいものであったとしても、我々はその歩みを止める訳にはいきません。核軍縮に向けた国際社会の機運を高めるべく、国際社会を主導してまいります」 式典後には被爆者の代表が岸田総理に核兵器禁止条約への参加を求めます。 県被団協 箕牧智之理事長「来年3月に開かれる核兵器禁止条約3回目の締約国会議に参加していただきたい。原爆を投下した米国、投下された日本、一緒に核兵器禁止条約に署名批准してくださることを要望します」 岸田総理大臣「核兵器禁止条約の目指す核兵器のない世界に、核兵器国をどれだけ近づけることができるかが日本の具体的な取り組みであると思っている」 岸田総理は実現には核保有国を巻き込むことが不可欠とする従来の見解を繰り返すにとどめ、核兵器禁止条約への言及はしませんでした。 「おはようございます」 広島市内では各地で祈りの1日となりました。 児童「これから先で原爆投下が起きないような平和な街で」「広島県の人として平和のことをたくさんの人に伝えたり家族にも伝えたりしてこれからも生活していきたい」 平和の願いを込めて「ピースウイング」と名付けられた新スタジアムではサンフレッチェ広島の選手らが平和への思いを新たにしました。 サンフレッチェ広島 青山敏弘選手「きょうは特別な日ですし、今平和に生きていることを感謝する、そしてこれを続けていく、これからも僕たちから、広島から発信していきたい」