「鉄砲隊」の火縄銃演武に歓声と悲鳴 ── 大坂GWの陣
大阪城鉄砲隊による火縄銃一斉発車に大歓声 THE APGE大阪
火縄銃研究家らで構成された大阪城鉄砲隊が3日、大阪市中央区の大阪城天守閣前本丸広場で火縄銃の演武を披露し、観光客らから歓声があがった。大阪城天守閣の大坂の陣400年プロジェクトの一環で、豊臣方の武将真田幸村ゆかりの六文銭の旗印が、白煙の中に揺れていた。
幸村が家康を狙った携帯式小型銃も
ほら貝が鳴り響く中、大阪城鉄砲隊が登場。赤のよろいかぶとに、六文銭の旗印。大坂の陣で豊臣方武将として奮戦した真田幸村を顕彰する鉄砲隊だ。真田勢は真田流鉄砲術を駆使する砲術の名手たちだった。5日まで開催される「大阪城ファミリーフェスティバル」の先陣を切った。 鉄砲隊が舞台に整列。砲術研究家で鉄砲隊代表の澤田平さんが、火縄銃のミニ解説をしながら、演武を進行していく。大阪、信州・上田、紀州・九度山に拠点を置く真田鉄砲隊3隊の連合軍で、「大阪城を死守します」と宣言。鉄砲隊が火縄に点火し、構えて撃つごとに、大音響が周囲を圧倒。広場内に白煙がたなびく。 大坂夏の陣で、幸村が馬上から徳川家康を狙ったとされる携帯式小型銃や、破壊力のある大鉄砲なども発射。安全確保のため、舞台から少し離れて見学する観客たちから、「うわっ!」「すっごい!」と歓声が弾けた。
迫力体感 予想以上の大音響にびっくり
愛知県から訪れた小3女子は「怖かったけど、少しおもしろかった」とつぶやく。40代の母親は「火縄銃の実演を見るのは初めてで、予想以上に音が大きかったのでびっくり。興奮しましたが、同時に平和の大切さを改めて感じました」と話していた。 北川央大阪城天守閣館長は「文化財の展示とはひと味異なり、火縄銃の演武は迫力を体感できる。大坂の陣400年のイベントが続きますので、大阪の歴史体験を楽しんでください」と呼びかける。 平成の鉄砲隊は演武終了後も記念撮影などにも気軽に応じ、ファンサービスに追われていた。
幸村は平和時でも名リーダーになれた?
澤田さんは「幸村は勇猛果敢な武将として名高いが、幸村の鉄砲理論は先駆的で、合理的な精神の持ち主だったと思う」と、幸村の合理性に注目。「九度山に幽閉されていた苦難の局面でも、真田ひもや薬を販売して資金を確保し、緊急時に備えていた。平和な世の中でも、有能なリーダーになったはず」と読み解く。 大阪市東成区で真田幸村公資料館を開設した澤田さんは、幸村ゆかりの貴重なコレクションを公開中(有料・個人運営のため要予約)。大阪城ファミリーフェスティバルの情報は大阪城天守閣の公式サイトで。真田幸村公資料館の問い合わせは澤田さん(06・6974・1186)へ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)