【タイ】BRICS、地場通貨取引と独自金融を推進
タイの調査会社カシコン・リサーチ・センターは25日、前日に閉幕した中ロやインドなど主要新興国によるBRICS首脳会議を受け、BRICSが今後に役割を拡大していくとの見通しを示した。米ドルに頼らない地場通貨取引の拡大、独自の金融システム開発が進むと予測した。 BRICSは今回、加盟国となる前の「パートナー国」を新設し、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムを含む13カ国を指定した。加盟国9カ国とパートナー国を含むBRICSは22カ国となり、人口は世界の58%、国内総生産(GDP)は31%に上る。先進7カ国(G7)は各10%、44%を占める。 カシコン・リサーチは今回の首脳会議が定めた重要方針として、◇BRICS内の取引での地場通貨利用推進◇新たな国際決済システム「BRICSペイ」の開発◇BRICS内の穀物取引を推進する「BRICSグレイン・エクスチェンジ」――を挙げた。 BRICS内の国際取引に占める地場通貨利用は2022年、14年の12%から15%に高まったほか、人民元の利用も拡大した。BRICSペイはブロックチェーン(分散型台帳)を利用した「分散型越境メッセージシステム(DCMS)」を使って開発している。BRICSグレインは中間業者を除く取引を後押しする方針で、穀物を手始めに石油、天然ガス、金属へも対象を広げる見通しだ。