野村周平、飾らない言動、賛否両論の声に 「ネガティブになっていない」
主演映画『サクラダリセット』、菅田将暉と共演の『帝一の國』が現在公開中の俳優・野村周平。昨年も2本の連続ドラマをはじめ、5本の劇場公開映画に出演するなど、引っ張りだこの若手俳優だが、最新作『22年目の告白―私が殺人犯です―』では、震災で心を閉ざしてしまった婚約者を懸命に支える青年を好演している。出演作に比例するようにメディアへの露出も増え、その飾らない言動が注目を集めることも多くなった。
思ったことを押し込めたらいい表現ができない
「『はしゃいでいる大学生かよ』とか言われますよね」と苦笑いを浮かべる野村。 「もちろんバラエティー番組などに呼んでいただいたとき『盛り上がったな』と思ってもらえればうれしいし、そうすれば、また次の作品のときに呼んでもらえるかもしれませんし」と出演作のアピールのためという側面もあるが、「でも基本的には自分が楽しんでいるだけで、直感でやっています。寡黙な俳優さんももちろんいいとは思いますが、俺は基本的にしゃべることが好きだから、楽しくしているだけなんです」と胸の内を明かす。 素直に自身の思いや感情を取り繕うことなく表現する――。こうした発言や行動には、賛否が飛び交うことも多いが「ネガティブに考えないですし、ナーバスにもならないです」ときっぱり。そこには「もちろん人に迷惑をかけてはいけないとは思いますが、芝居って生き方が出ると思っているんです。人それぞれ考えた方は違うと思いますが、俺は自分の考えていることや感じていることを、包んで押し込めて生活していたら、いいものが出てこない」という野村なりのポリシーがあるという。 さらに「リハーサルはやりたいと思うのですが、現場でやってみないと分からないことの方が多いです。どんな役柄でも、その瞬間に生じた感性や感情を信じて演じています」とキャラクターへのアプローチ方法を語った。
世界に向けて一丸になっていい作品を
本作では、阪神淡路大震災によって心が不安定になった里香(石橋杏奈)を献身的に支える心優しい青年・拓巳を演じているが「とても爽やかな少年がどう変化していくかというポイントを意識しました」と語ると、演技で対峙することが多かった伊藤英明について「芝居も生き方もすごい」と絶賛。 『帝一の國』や『サクラダリセット』など同年代の若手俳優との共演も多いが「もちろんみんなライバルだと思っているだろうし、バチバチする部分もあるのかもしれないけれど、本当にみんなで一丸になって、いい作品を作らないとダメだと思うんです」と説明した。 ある意味で、俳優に対してストイックに取り組んでいる印象を持つが「壁にぶち当たるとかストイックに取り組むとか苦手なんですよ」と笑いながら語った野村。「少なくてもアジアは視野に入れたい」と思いを馳せると、「最終的には不動産王になりたいですね(笑)。お金貯めて、映画に出資したり……」と大きな野望を明かしていた。 (取材・文・写真:磯部正和) 映画『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』は6月10日全国公開 -------------- ■野村周平(のむら・しゅうへい) 1993年11月14日生まれ。兵庫県出身。「アミューズ全国オーディション2009」でグランプリを獲得し、翌2010年ドラマ「新撰組 PEACE MAKER」で俳優デビュー。その後、2012年には連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、2013年にはドラマ「35歳の高校生」、さらに2014年には、本作でメガホンをとった入江悠監督とタッグを組んだ映画『日々ロック』で主演を務めるなど、数々の話題作に出演。2015年には「第7回TAMA映画賞・最優秀新人男優賞」を受賞するなど、期待の若手俳優だ。