金子隼也×野村康太が明かす、宝来忠昭監督と作り上げた“美しさ” 「僕たちの芝居を“客観的な視点で再現”してくれる」<パーフェクトプロポーズ>
累計発行部数21万部を超える鶴亀まよによる同名癒し系BLマンガを金子隼也&野村康太がダブル主演で実写ドラマ化した「パーフェクトプロポーズ」(FOD)。 【写真】 金子隼也“浩国”を野村康太“甲斐”が近距離で見つめ合う…「パーフェクトプロポーズ」第6話より 本作は、子供の頃に将来を誓い合った2人の再会から始まる純愛スパイスラブストーリー。パワハラ上司にプレッシャーをかけられながら仕事に追われ、眠れない毎日を送るサラリーマン・渡浩国が、ひょんなことから子ども時代に仲が良かったどこか謎めいた美しい青年・深谷甲斐と同居生活をする模様を描く。 仕事で上手くいかず疲れきった浩国役を金子、家事能⼒抜群で美味しいごはんを作って浩国を癒やす年下クール男⼦・甲斐役を野村がそれぞれ演じる。 FODにてノーカット版全話配信中で、現在BSフジでも放送され人気を博している本作。実際に4歳差がある2人に今の心境を聞いた。 ■金子「『MEN‘S NON-NO』でいつも野村君をカッコいい~って見てます」 ーー撮影が終わってから少し時間が経ったと思いますが、久しぶりの再会になるのでしょうか? 金子隼也:2カ月ぶりくらいです。 ーーお互いの印象に変化はありましたか? 野村康太:隼也くんは髪の毛が…なんかいろいろ変化してるなって! 金子:(笑)。僕は雑誌「MEN‘S NON-NO」で見てる人! 元々ずっと「MEN‘S NON-NO」が好きで読んでいて、野村君が専属モデルになってからもそれは変わらず。いつもカッコいい~って見てます。 野村:僕は撮影期間中もそうでしたが、隼也くんのTikTokが好きで今もずっと見ています。最近アップされた“うどんの動画”がもう本当に好きで何度も見てるんですよ。 金子:僕が高松に行って、うどんを食べてる動画なんですけど。こう、うどんを箸で掬ってつゆにつけようとしたら、落として白いTシャツに飛び散って虚無顔…みたいな(笑)。 野村:その表情がシュールでめちゃくちゃ面白いんですよね(笑)。あの動画が、本当に大好きで! 金子:なんか今日ずっとそれ言って笑ってくれてるよね(笑)。 ■野村「隼也くんは撮影でも常にリードしてくれた」 ーーそんな仲が良い2人ですが、お互いの印象を浩国と甲斐という役との相違点に絡めて教えてください。 野村:浩国と同じで隼也くんもすごく温かくて優しくて兄貴肌というか。撮影でも常にリードしてくれて、頼ってばかりでした。たとえば、オープニングの二人の日常シーン。僕はどんな会話をすればいいのかわからなかったのですが、隼也くんが率先して話しかけてくれて。本当に他愛もない会話だったので、内容自体はあまり覚えてないのですが、ただそのおかげであの日常感溢れるリアルなオープニングシーンができたので、感謝しています。 金子:甲斐も野村くんも、穏やかで柔らかいです。でも、甲斐は表情や声音にあまり感情が出ないタイプですが、野村くんは感情表現豊かなので、そこは違いますね。あと、甲斐は家事万能なスパダリですが、野村くんは… (笑)。可愛らしいんですけどね。たとえば、オープニングの洗濯物を干すシーンでハンガーを上から入れようとするから…。 野村:あ…(笑)。甲斐は家事万能なのに…ヤバイ…イメージが…。 金子:「それだと首周り伸びちゃうよ。多分、甲斐だったらハンガーは下から入れると思う」って教えたこともありましたね(笑)。 ーーお互いが心を開いた瞬間は? 金子:撮影前にリハーサルが2回あったのですが、そのときにすでに打ち解けました。お互いにサウナが好きという共通の趣味もあって話が弾んだんです。でも、とにかく僕は野村くんが纏う柔らかい空気感が好きで、安心します。だから、大きなきっかけが何かあったからというよりも、野村くんの空気感にひかれて自然と仲良くなった記憶がありますね。 野村:確かに僕も隼也くんと気付いたら仲良くなっていた気がします。やはり隼也くんは面倒見がいいので、一緒にいて僕も心地良くてついつい甘えてしまいます。 ーーお互いが共に初主演だったからこそ支え合えたことはありますか? 金子:もう全部です。野村くんのおかげで主演というプレッシャーもあまり感じずに楽しくお芝居をすることができました。 野村:それは僕の方こそです。隼也くんがリードしてくれたから、変に緊張せず作品に入り込めました。現場の雰囲気も良く、とても温かかったので、のびのびとできました。 ■金子「もはや宝来監督の再現が見たくて…(笑)」 ーー恋愛作品だからこそ意識したことはありますか? 個人的には第1話で甲斐が浩国の顔に手を添えるときの仕草がとても美しくて印象的でした。 野村:あのシーンは、手の添え方までしっかり指導していただきました。宝来(忠昭)監督が、実際にスタッフの方とそのシーンを再現してくれるんですよ。それがとても分かりやすくて。他にもバックハグのシーン等も宝来監督が実際にやって見せてくださったので、そのおかげで細かい所作や動きが美しく見せられるようになりました。 金子:宝来監督は“お手本を見せる”というよりも、僕たちの芝居を“客観的な視点で再現”してくれるんですよね。だから、とても分かりやすくて。「さっきの野村くんと金子くんはこんな感じだったよ」って実際に演じて下さって、「こういう風にもできるよね?」って他の演出も提案しつつ、でも最終的には自分たちでどれがいいかは判断してねって感じで。とても勉強になりました。もはや宝来監督の再現が見たくて、どういうシーンか分かるけど野村くんと「このシーンも分かんないです」ってよく言ってたよね(笑)。 野村:言ってましたね(笑)。宝来監督の再現、すごく好きだったな。 ーー監督の再現、見てみたいです(笑)。甲斐は感情が表に出にくいタイプなのでその表情管理が難しそうですし、浩国もまた正気を失った顔色が悪い時期と元気の時期の差を出すのが大変そうだなと感じました。その辺の指導も宝来監督からあったのでしょうか? 野村:ありました。宝来監督から「今のはちょっと顔に好きが溢れ過ぎちゃってるかな」とか、よくご指導いただいてました。甲斐は浩国のことを初めから大好きなのですが、それをどこまで出すのか、その塩梅が本当に繊細で難しかったです。 金子:僕の場合は、基本撮影は順撮り(第1話から順番通りに撮影)かつ徐々に甲斐を好きになっていくので、そこまで難しくはなかったのですが、ただたまに撮影シーンが前後する場合もあったので、台本にここのシーンは浩国は甲斐のことが何%好きかを常にメモしてました。あとは会社のシーンもわりとまとめて撮っていたので、今撮ってるシーンが第何話のどこなのかがごっちゃになっちゃって…。顔色とか表情を変えなきゃなので、そこもまた台本にメモしてました。僕は台本にずっとメモ書きをして、整理してましたね(笑)。 ■野村「(隼也くんに)え!? カッコいい…ってトキメキました」 ーー勤勉ですね。では、撮影中にお互いの印象的なエピソードはありますか? 野村:僕は隼也くんと一緒に焼肉を食べにいったときに、お会計の仕方がスマート過ぎてすごく感動しました。「お手洗い行ってくる」って言って、そのままお会計を僕の分まで済ませてくれていて。え!? カッコいい…ってトキメキました。 金子:(笑)。いや、あれは普通のことじゃない? 僕の方が年上だし、野村くんの前で支払うのも気を使わせちゃうかなと思って。だから、野村くんに見えないところで払っただけのことで。 野村:その気遣いがもうカッコいい…。 ーーメロメロじゃないですか(笑)。確かにとてもスマートでカッコいいですね。ちなみに余談ですが、焼肉で好きな部位は? 金子:2人でタンをめちゃくちゃ食べたよね? 野村:食べましたね! あとハラミ! 美味しかったなぁ~。 ーー美味しそうと言えば、本作でも美味しそうな料理がたくさん登場しますね。2人が特にイチオシのメニューを教えてください。 金子:焼きそばです。もちろん、甲斐が作ってくれた方の! でも、どのお料理も本当に美味しいんですよ。フードコーディネーターさんが入って下さってるので、見た目も綺麗ですし、お弁当に入ってるウインナーやミートボール一つとってもめちゃくちゃ美味しくて…。毎回食べるシーンが楽しみでした(笑)! 野村:僕は隼也くんが食べてない生姜焼き! カットがかかってからもあまりの美味しさにお箸が止まらず、完食しました。 金子:生姜焼きね…美味しそうだったな。あのシーンは会社で缶詰状態の浩国に甲斐が料理を作ってそれを自撮りしながら食べるシーンだったので、僕は現場にいなくて。その動画をスタッフさんたちと見て、「美味しそう…」って話してたんですよね。 ■金子「“期待”って難しいなと思いました」 ーーでは、料理以外で印象的なシーンやセリフはありますか? 個人的には浩国の「多分…誰がいなくなっても、どうにかなる」や甲斐の「人と関わるのって重いね」というセリフが心に残っています。 金子:僕は甲斐が約束を破られても怒らずに「別にいいよ」と言ったセリフと、その期待してないから大丈夫といった雰囲気が印象的でした。期待されないことは悲しいけど、相手に勝手に期待して自分を押し付けるのもまた違う気がして…。僕が知らなかった相手の新たな部分を自分の期待で否定することはしたくないとは常に思っていますが、ポジティブな意味の期待もあると僕は思っていて。だから、期待をするのとしないのと、どっちがいいんだろう。“期待”って難しいなと思いました。 野村:難しいですよね。僕は浩国の「俺の余生くらい…お前にくれてやる!」って叫ぶシーンが印象に残っています。え…!? 何そのセリフ!? カッコいい…って単純にドキドキしました。 金子:(笑)。本編にはほとんど映っていないんですが、あのシーンでは甲斐が道路に荷物を叩きつけて走って戻ってくるんですよ。僕はその荷物の叩きつけ方が想像の3倍ぐらい力強いなと思ってました(笑)。 野村:今すぐにでも浩国を抱きしめたかったからあの勢いになっちゃいましたね(笑)。 ーーここまでお話を聞いていて、2人の相性の良さがひしひしと伝わってきました。浩国と甲斐のようにもし一緒に生活するとしたら、どんな生活になりそうだと思いますか? 金子:僕は料理担当で。料理本を2~3冊持ってるくらい料理が好きで、腕には自信があります。ちなみに得意料理は「DAIGO'S キッチン」(「テレビ千鳥」テレビ朝日系)で大悟さんが作っていたパスタです。 野村:僕は筋トレが趣味なので、重いものを運ぶ担当で(笑)。 ーー緒に暮らすこと自体はできそうですか? 金子:掃除とか洗濯とか家事を分担したら、僕は全然一緒に住めると思います。そうじゃない? 野村:…多分。 金子:え? 野村:僕、最近生活にこだわりが出てきて…。 金子:嘘でしょ!? たとえば? ■金子「出川哲朗さんからいただいたお言葉がずっと心に残っていて」 野村:洗濯物の干し方とか! Tシャツが伸びないようにハンガーは下から、ね(笑)。 金子:(笑)。 野村:あとは形が崩れないように縫い目に沿ってハンガーにかけるようにしたりとか…。 金子:嘘だー(笑)。 野村:本当ですよ(笑)。 金子:じゃあ、洗濯は野村くんがやればいいじゃん。でも、そのくらいのこだわりなら僕も全然許容範囲内だし…結局分担すれば一緒に住めます! 野村:確かに! よろしくお願いします(笑)。 ーー愛に溢れる2人ですね。個人的には「パーフェクトプロポーズ」は、“日々の些細な言動から溢れ出る深い愛”が描かれているように感じました。2人が家族や友人等からふと愛を感じたエピソードがあれば教えてください。 金子:僕は「大!天才てれびくん」(NHK総合)時代に、出川哲朗さんからいただいたお言葉がずっと心に残っていて。「隼也が今やってる仕事は誰かが落ちた仕事だからね」っていう言葉だったんですが、出川さんから僕への愛はもちろん、出川さんの仕事への愛やライバルの方への配慮まで感じて、すごく印象深かったんです。僕はそれ以降、お仕事をいただくたびにこの言葉を思い出して、その誰かの分も受かった自分が頑張らなきゃという気持ちで一つひとつのお仕事と向き合って大切にやらせていただいてます。 野村:僕は愛を感じたというよりも、自分なりの愛情表現になってしまうのですが…。小さい頃から母と父に「感謝をしっかり伝えなさい」と教わってきたので、小さなことでも必ず「ありがとう」と伝えるように心がけています。それは家族や友人関係なく誰にでもするように意識しています。母の手料理を食べて、素直に「今日もめちゃくちゃ美味しい! ありがとう」って言っちゃいますし、隼也くんにも撮影中はもちろん常に感謝を伝えてました! 金子:野村くんからの愛、伝わってきました(笑)。 ■編集・取材・文=戸塚安友奈