「10年先を見据えて」 山本新町長に聞く、和歌山県みなべ町
和歌山県みなべ町長選で当選した山本秀平氏(32)=無所属=が9月30日初登庁し、新町政をスタートさせた。現職では県内最年少の首長。投開票から一夜明けた心境や抱負を聞いた。 (聞き手は中沢みどり) 【32歳山本氏が初当選 和歌山県みなべ町長選の動画はこちら】 ―選挙を終えて今の心境は。 一晩たって、これだけ多くの方から支持を得てうれしい思いと、改めて町政を担う重責を感じている。 ―町長に就任して、最優先に取り組むことは。 命に関わることなので、防災の問題。地域の方からお聞きした巨大地震と津波への不安な気持ちを払拭できるよう、地域ごとの対策に取り組んでいきたい。 ―32歳という若さをどう生かすのか。 体力に自信がある。いろいろな現場に行き、とにかく動き回り、地域の声を聞いて実行していく。10年先を見据えて長期的な視点で取り組みたい。 ―農業に携わっている立場から、梅についてどう思うか。 町の土台部分に梅産業がある。後継者不足や気候変動など、その土台が今まさに揺らいでおり、危機感を持っている。これらの課題にスピード感を持って取り組みたい。生産量の維持も課題だ。生産性の高い農地の造成や取り組みに対する支援を積極的にしていきたい。 ―町の将来像をどのように描いているか。 もともと日本一の梅産業があり、人のつながり、地域のつながり、自然の豊かさがある町なので、その魅力を10年先にも残していけるように、またその魅力を発信して日本中、世界中から多くの人に訪れてもらえるようなまちづくりをしたい。定住人口を維持するのは難しいところもあるが、それに代わるような観光や関係人口を創出していきたい。常に人でにぎわい活気のある町ができれば、結果的に子どもたちが町に誇りを感じ、住み続けたいと思うようになる。 ―町民に一言。 これから何もしなければ、みなべ町は厳しい時代になる。今の豊かさを守っていくためにも、変化を恐れずに挑戦していきたい。全ては魅力あるみなべ町を次世代につなげていく、その信念で動いている。皆さんからも、町に対する思いを聞かせていただき、その思いを生かしたまちづくりに挑戦していきたい。
紀伊民報