長引く物価高で節約志向に...福島県内の景気、12月も「足踏み」
日銀福島支店は20日発表した12月分の県金融経済概況で、県内景気の総括判断を2カ月連続で「足踏みしている」とし、判断を据え置いた。長引く物価高の影響で消費者の節約志向が強まっている。 項目別では、住宅投資を引き下げた。10月の新設住宅着工戸数は341戸で9月から半減し、2005年以降で最低となった。建築コストの上昇のほか、一部で借入金利の上昇、物件の利回り低下への懸念などからやや慎重な姿勢がみられるという。 個人消費では、10月の主要小売業販売額は前年比1.8%減。高めの気温が推移し、秋冬物の衣料品や暖房器具、灯油などの売り上げが落ち込んだ。 福島支店で記者会見した中嶋基晴支店長は、来年の展望について「緩やかな回復が波及することで経済が持ち直しに転じ、価格転嫁による収益改善やさらなる賃上げへの動きに期待したい」との認識を示した。
福島民友新聞社