2回戦から舞台はU等々力へ…川崎F U-18から帝京に転籍のDF田所莉旺「等々力で負けは許されない」
[12.28 選手権開幕戦 帝京高 2-1 京都橘高 国立] 個人的な目標の第一歩は達成した。国立競技場での開幕戦を制した帝京高(東京B)のU-18日本代表DF田所莉旺(3年)は「次の舞台が等々力で、必ずそこに行きたいと思っていた」と、12月31日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(U等々力)で行われる2回戦進出を素直に喜んだ。 【写真】「美しすぎ」「めっちゃ可愛い」柴崎岳の妻・真野恵里菜さんがプライベートショット披露 川崎フロンターレのアカデミーで育った田所は、2023年シーズン開幕前に川崎F U-18から帝京へ転籍。国立での開幕戦に勝てば、2回戦から準々決勝まで、川崎Fが本拠地とするU等々力で試合を行うことは組み合わせ抽選会の時点で分かっていた。 「(U等々力には川崎Fの)サポーターも数多く来ると思う。そこで活躍したい。(U等々力での)そこの3試合は絶対に負けたくない。等々力で負けは許されない」。しかも、そのU等々力で、かつてのチームメイトとの対戦が実現する可能性もある。 この日の開幕戦前に行われた開会式では、川崎F U-15時代のチームメイトで、親友でもある長崎総合科学大附高(長崎)のFW坂本錠(3年)と再会。長崎総科大附とはブロックが反対のため、「(坂本)錠とは決勝でしかやれない。お互い勝ち上がって、『決勝でやりたいね』って話した」という。 さらに1学年下の金沢学院大附高(石川)GK石山アレックス(2年)も川崎F U-15出身。初出場の金沢学院大附は29日の1回戦で鹿児島城西(鹿児島)とU等々力で対戦するが、その勝者が帝京の2回戦の相手になる。「(石山)アレックスが勝てば、次、等々力でやれる。明日はテレビで応援したい」と対戦を熱望していた。 帝京加入1年目となった昨年度は全国大会に出場することはできなかったが、今年度は夏のインターハイ(全国高校総体)に続いて選手権でも東京都予選を突破し、帝京としても15年ぶりとなる全国選手権への切符を手にした。そして、国立での開幕戦に勝利し、2007年度大会以来、17年ぶりの選手権1勝。CBでフル出場した田所は正確なロングフィードで攻撃の起点となり、守備でも後半32分のピンチに体を投げ出してブロックするなど奮闘した。 それでも京都橘のFW伊藤湊太(2年)の仕掛けに苦しめられる場面もあり、「あまり試合前に情報を入れないようにしていたけど、ファーストプレーで体を入れたところで取り切れなくて、後半も何本か後手に回った」と対応に苦慮。「DFとしてあそこまで抜かれたのは反省点」と唇を嚙んだ。 後半33分にセットプレーから同点に追いつかれた場面では「正直、PK戦もよぎった」というが、その2分後に途中出場のFW宮本周征(2年)が勝ち越しゴール。「(砂押)大翔が体を張って奪って、自分からも縦パスのコースが見えた。最後仕留めてくれて、後ろとしては前の選手に感謝しかない」と、チームメイトに助けられた。 Jクラブのアカデミーから高体連への転籍。「80分間張り詰めた雰囲気というか、Jユースとは違う緊張感がある。引退というのも強く出るし、スタンドもファン・サポーターというより同級生がいっぱいいて、あいつらの分もという思いがある」。自分自身の夢のためだけでなく、一緒に戦うチームメイト、スタンドで背中を押してくれる仲間たちのためにも、最初で最後の選手権で勝利を積み重ねていく。