不屈の助っ人が楽天初の代打サヨナラ弾 今江監督「賭け」代打の代打ズバリ
◆日本生命セ・パ交流戦 楽天5x―3ヤクルト(31日・福島) 5年ぶりとなった福島開催で楽天が劇的な白星をプレゼントした。今江敏晃監督(40)の“勝負手”がさく裂し、今季初の3連勝を飾った。 驚異的な粘りを見せた。2―3の9回1死から小深田、小郷の連打で一、二塁とチャンスが広がった。村林の代打に茂木を送ったが相手が左腕の長谷川を投入。「相性もありますし、右と左で少し迷いはあったんですけど、(右の)フランコでいこう」と代打の代打に命運を託した。 助っ人砲は長谷川の初球のチェンジアップを完璧に捉えた。打球は楽天ファンの待つ左中間席へ飛び込んだ。球団史上初となる代打サヨナラ本塁打。歓喜のウォーターシャワーで出迎えられ、「初めてということに関われたのはすごくうれしく思います」とヒーローは余韻に浸った。 開幕から4打席連続三振と結果が出ずに2軍行きを命じられた。5月28日に再び1軍の舞台に戻ってきた。千載一遇のチャンスを逃さなかった。「2軍でやってきた期間もあるけど、それは過去のこと。一打席一打席を大切に打っていきたい」。前だけを見て腐らなかった不屈の戦士に、勝利の女神がほほ笑んだ。 チームは今季東北6県を行脚する。あづま球場での試合は15年ぶりで、秋田に続いて2戦2勝とした。当時、ロッテの選手としてあづま球場で楽天と対戦し、一発を放っている指揮官は「興奮してちょっと喉が…」と、声をからしながら「本当に賭けに出ました。(逆転サヨナラの)予想はしていたとは言えないけど、最高の結果になった」。心地良い疲労感とともに、思い出が上書きされた。(太田 和樹) 【記録メモ】 フランコ(楽)が9回に代打・茂木の代打でサヨナラ本塁打。代打サヨナラ本塁打は、昨年7月24日ソフトバンク戦の角中(ロ)以来、プロ野球143本目、楽天では初になるが、代打の代打でサヨナラ本塁打は、80年6月25日対日本ハム戦9回の門田博光(南海)、83年9月14日対阪神戦9回の平田薫(巨)、98年7月7日対ロッテ戦12回の広永益隆(オ)、06年8月5日対ソフトバンク戦10回のパスクチ(ロ)に次いでフランコが5人目。パ4人目になる。
報知新聞社