【速報】世界初『木製の人工衛星』を完成と発表 運用終了後に燃え尽き…大気汚染の原因物質を発生させず 京都大学
京都大学などの研究グループが世界初の木でできた人工衛星の開発に成功したと発表しました。 世界初となる木製の小型人工衛星「LignoSat」は5年ほど前から開発をはじまり、大きさは10センチ四方で、重さは約1キロだということです。この衛星は今年9月に打ち上げられる予定で、「きぼう」日本実験棟から宇宙空間に放出されるということえす。 この人工衛星は、運用終了後に燃え尽きるということで、大気汚染の原因となる物質を発生させないメリットがあるということです。
MBSは去年の冬、開発拠点となっている大学内にある「宇宙木材研究所」を訪ねました。衛星には10センチ四方の小さな箱のようなものが取り付けられていて、位置情報や木の状態などのデータが地上に送られるといいます。将来人間が宇宙に住むことができるようになったとき、地上と同じように木を使うことができないかを試してみようというのが始まりだということです。 そんな木造人工衛星ですが、木ならではの課題も。くぎやねじを使うと宇宙の過酷な温度変化でひび割れてしまうのです。そこで木工作家の臼井浩明さんに助けを求めました。くぎやねじを使わず、木だけで立体を組み立てる工法、「指物」の職人です。 (白井さん) 「こういう凸凹があって。上が広がっていますよね。この出っ張りの。これで板をぎゅっと寄せる。そういう組み方です。組んでしまうと・・・座ってもびくともしない」 テーブルやふすまなど、数々の作品を手掛けてきた臼井さんですが人工衛星はもちろん今回が初めて。新たな分野への挑戦に期待が膨らみます。 (白井さん) 「今まで全然結びつかなかった仕事が、こうやって機会をもらってさせてもらって、自分たちが思っている以上に可能性がある仕事なんだなっていうことを再発見したのは間違いないと思います」