園児バス置き去り死亡事件で女児の母「何をしても大切な千奈は戻ってこない」 父は「強烈な怒りと恨み」【静岡発】
「殺してやりたいと考える日も」
千奈ちゃんの父親によれば、元園長の言動に対しては当初から不信感があったという。 例えば、事件当日の夕方には「病院に行く用事があって急いでいた」との自己中心的な言い訳をされ、自宅で行った面談の際には千奈ちゃんの母親をにらみつけ、怒りながら声を荒げることもあったそうだ。 こうした中で、元園長は被告人質問で、裁判長から「川崎幼稚園が廃園になったら困る人がいるか?」と問われた際に「信用して園に子供を預けてくれている保護者が困ると思う」と発言したことから、千奈ちゃんの父親は失望感を漂わせながら「私たちも園のことを信用して娘を預けていた親のひとり。ですが、その信用は裏切られ、娘を殺された」と憤った。 わずか3歳11カ月で命を落とした千奈ちゃん。両親の悲しみや絶望は察するに余りある。 このため、千奈ちゃんの父親は「千奈の命を奪った両被告を私は許さない。『パパに会いたい』『パパ大好き』と生前の千奈が言っている動画を見て、私は謝ることしかできない。強烈な怒りと恨みで両被告を殺してやりたいと考える日も少なくない」と語気を強め、今回の事件のわずか1年ほど前にも福岡県で同種の事件があり、国などから注意喚起があったことも踏まえ「過去の判例よりも重い実刑判決が両被告に下されることを望む」と意見陳述を締めた。 きょうの法廷で千奈ちゃんの母親は「これからたくさんの経験を積み、成長していく姿を見たかった」と話した。 これは子を持つ親なら誰もが同じ気持ちだろう。 しかし、そんな親にとっての楽しみや夢を2人は奪ってしまった。 なにより、わずか3歳の女児の命を奪った責任の大きさは計り知れず、7月4日の公判で仮に両親が望んだ通りの判決が出たとしても、傷が癒える日はやって来ない。 (テレビ静岡)
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