「左手のないサル」が都内に出没…福島から170キロ移動か? 専門家が見解
北区、板橋区、練馬区……。今月に入り東京都内の広い範囲で「左手のないサル」の目撃情報が相次いでいる。一部報道によれば、今年4月にも福島県で左手のないサルが撮影されていたことから、「同一個体ではないか」との指摘も聞こえてくる。 【写真】閲覧チュー意! 東京・新宿区が対策に本腰「ねずみ捕獲」の現場に同行した 「左手のないサルは今月6日、北区を皮切りに、練馬区、小金井市、多摩市など都内各地で目撃されています。今のところ住民らに被害はありませんが、時折威嚇することもあるようです」(社会部記者) このサルと同一個体とみられるサルは、東京入りする前には栃木や千葉などでも目撃されている。世界屈指のサル類動物園である日本モンキーセンターの学術部は、「性成熟した5、6歳のオスザルが100キロ以上の距離を移動することはあります」とこう続ける。 「現在、都内で目撃されているサルが福島で目撃されたサルと同一個体であるかどうかは不明ですが、霊長類一般には近親交配を避けるための社会システムが備わっています。そのため、性成熟後にオスが群れを離れるのが一般的です。その、“群れを離れる”=“分散”の過程で都市部などを通過することもあり得ます」 サルにとってみれば、山と同様に都市部にも木のような構造物があり、食べ物などの入手も可能だという。 「野生のサルは警戒心が強く、新しい食べ物には手をつけないのですが、住宅地の庭で育てられているような果実や街路樹の葉や実なども食べられるので、利用しているのではないかと考えられます」(同前) また野生のサルは、人を見れば逃げる習性があるが、「場合によって人になれたり、(人間の食べ物を)食べ物として認識したりしてしまうと注意が必要かもしれません」と同センターは懸念する。 各自治体ではSNSなどを通じてサルに出合っても、「近づかない」「目を合わせない」「エサを与えたり、食べ物を見せない」などの注意喚起を行っている。