米経済指標の“下振れ”で長期金利は「低下」、為替は「ドル安・円高」へ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
ドル円はドル安・円高に、一連の動きは引き続き米経済指標次第だがここまで特に違和感はない
これらの動きはドル円相場にも影響しています。利下げ織り込み回数と10年国債利回りについて、ドル円レートとの散布図は、順に図表1、図表2の通りです。5月29日から6月4日まで、ドル円のドル安・円高方向の変化幅は約2円76銭ですが、図表1での単純な線形回帰による推計幅は約1円63銭、図表2は約3円34銭となっており、ドル円と利下げ回数や国債利回りとの連動性がうかがえます(ニューヨーク市場終値を使用)。 米利下げの織り込み回数や米長期金利、米ドルの方向性は、米経済指標の内容次第のため、目先は6月7日発表の5月米雇用統計の見極めが必要となります。当社は米国経済について、この先、緩やかに減速し、9月と12月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつの利下げを経て、年末時点の米10年国債利回りは4.3%、ドル円は1ドル=153円を予想しています。そのため、足元の経済指標と金利、為替の動きに違和感はありません。 (2024年6月5日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米経済指標の“下振れ”で長期金利は「低下」、為替は「ドル安・円高」へ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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