重ねた鍛錬、決勝タイムリー 花咲徳栄・渡壁「食らいついた」 センバツ交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は10日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕し、第1試合は花咲徳栄(埼玉)が3―1で大分商を破った。 【大分商-花咲徳栄 熱戦の様子を写真特集で】 歓声のない甲子園に快音を響かせた打球が右前に抜けた。一回に1点を先取し、なお1死満塁。花咲徳栄の6番・渡壁(わたかべ)は鮮やかな流し打ちで2者を還し、「流れをつかめた」と喜んだ。 1ボール2ストライクからの4球目。大分商の好右腕・川瀬が投じた外角いっぱいの141キロ直球に、しっかり踏み込んで対応した。バットをかぶせるようにして高めの球をミート。「つなぐ気持ちで食らいついた」と強調したが、鍛錬に裏打ちされた一打だった。 好きな言葉は「継続」。元々は追い込まれてからの打撃は苦手だった。昨秋以降、不利なカウントを想定して打撃練習に取り組み続けた。心掛けたのは「球を長く見て右足の前でとらえること」。自身初の甲子園で成果を発揮した。 兵庫県尼崎市出身。花咲徳栄が全国選手権で初優勝した2017年当時は中学3年で、ボーイズリーグのチームメートとともに甲子園で決勝を観戦した。「見ていた所がプレーできる場に変わってうれしかった」。1試合限りの舞台でも得たものは大きかった。【野村和史】