日本の魚を取り扱っていた業者ら 中国当局に拘束か
福島第一原発の処理水の海洋放出を受け、日本の水産物の輸入を停止している中国で禁輸措置を守らず日本の魚を取り扱っていた業者らが、先月から今月にかけて連絡が取れなくなっていることが分かりました。知人らによると、当局に拘束された可能性があるということです。 【写真】11時間以上の待ち時間に…回転寿司のスシローが北京に初出店 福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐっては、中国政府は処理水を「核汚染水」と非難し、対抗措置として日本全国の水産物や水産加工品の輸入を全面的に停止しています。 また、違反した者は法に基づき、厳しく処分するとされています。 しかし、日本テレビの取材では禁輸措置が続く現在も、本来認められていない日本産の魚が北京や上海などの市場や日本料理店などで流通していることが明らかになっています。 こうしたなか、水産業者や卸売関係者などへのその後の取材で、放出1年を前にした7月ごろから中国当局が監査を強化し、有数の水産都市・広東省深セン市や福建省などで、日本産水産品を扱う関係者が相次いで拘束された可能性が高いことが分かりました。 これまでに、深センなど沿岸部の貿易関係者からは「韓国や台湾など第3国を経由して“産地”を変え、日本産水産品を仕入れる手段があの手この手で続いている」との証言もあります。 さらに、関係者によりますと北京で日本の食品を扱う商店の中国人経営者らが、今月20日前後から連絡が取れなくなっていることが分かりました。知人などによると当局に拘束された可能性があるということです。 この商店では、最近まで日本でとれた魚介類を扱っていたと話す人もいて、中国当局がこの点を問題視して摘発した可能性があります。 一方で、中国当局や中国メディアは商店経営者の拘束などについて一切伝えていません。 ある関係筋は「中国政府の思惑とは裏腹に、想像を超えて日本産の魚が国民に求められ流通している現実を、世間に知られたくないのではないか」との見方を示しています。 日本政府が禁輸措置の即時撤回を求める一方で中国政府は監査の目をかいくぐろうとする動きに、神経をとがらせています。