ブレイキン女子のレイ・ガン選手、選考過程で不正を働いたという噂が浮上 本人も五輪委員会も全面否定
パリ五輪で世界中の注目を集めたブレイキン女子のオーストラリア代表、レイチェル・ガン選手に選考で不正をしたという噂が拡散している。ガン選手が声明を発表、噂を誤ったものだと否定した。
試合でガン選手はユニークなダンスを披露したものの、1ポイントも獲得できずに終わった。彼女の惨敗に国内は騒然。オーストラリアのオリンピック委員会(AOC)とアンソニー・アルバニージー首相に対し、彼女が選ばれた選考過程に関する説明責任を要求する署名活動も行われている。AOCはこの署名活動を批判、ガン選手に対するいじめでありハラスメントだと非難している。
しかし選考に関する様々な憶測は静まらず、ガン選手が不正をしたという噂もネットに浮上している。この噂は、掲示板型SNS「レディット」に選考に関わっているオーストラリアン・ブレイキン・アソシエーションの設立者がガン選手と彼女の夫でコーチのサミュエル・フリーだというコメントが投稿されたことさらにヒートアップしている。
そんな中、ガン選手がインスタグラムで声明を発表した。「まず私を応援してくれたすべての人にお礼を言いたい。そのポジティブさに感謝しているし、みなさんの人生に喜びをもたらすことができて嬉しい。それが私の願いだ」とコメントした。続けてネット上で嫌がらせを受けていることに言及。「それがこんなにも大きなヘイトへの扉を開くことになるとは思わなかった。率直に言ってとても打ちのめされることだ」。またオリンピックは楽しみつつも、競技には真面目に取り組んだと強調している。「私はオリンピックの準備に全力で取り組み、私のすべてを注ぎ込んだ。オーストラリアのオリンピック代表の1人になれたこと、そしてオリンピックでの初めてのブレイキンの試合に参加できたことを光栄に思う」。
ガン選手は続いて冒頭に紹介したAOCのメッセージ、さらにオーストラリアン・ブレイキン・アソシエーションが出した声明を見てほしいとフォロワーに求めている。オーストラリアン・ブレイキン・アソシエーションは声明で、設立者がガン選手と彼女の夫だという噂を全面否定。ロウ・ナパランによって立ち上げられ、各州の代表が委員会を構成していると説明している。その上でガン選手が選考過程で不正をしたという書き込みも誤った噂だと一蹴している。さらにWDSF(世界ダンススポーツ連盟)ブレイキン・フォー・ゴールドもコメントを発表。「我々は、ネット上のいじめを含めいかなる形のハラスメントや虐待にも立ち向かう。我々の選手はそれぞれの夢を追うに当たって、敬意とサポートを受けるにふさわしい存在だ」とコメントを発表している。
ちなみにガン選手はこれから数週間ヨーロッパで過ごす。これは前から予定されていたことだという。ガン選手は「私の家族や友達、オーストラリアのブレイキンのコミュニティに対する嫌がらせをやめてほしい」「ヨーロッパから帰ってきたら私が質問に答えます」とコメントしている。