辰年の日本経済 株価・物価はどうなる? 証券会社3社トップは揃って日経平均株価4万円を予想【WBS】
株式市場では4日、今年初めての取引が行われ、日経平均株価は一時770円安と、荒れた展開となりました。ただ、証券会社のトップたちは揃って今年の株価が「最高値を更新する」と予想しています。2024年の経済はどうなるのか、現場を取材しました。 1年の取引が始まる前に、東京証券取引所で行われた大発会。能登半島地震の被災者に捧げる黙祷から始まり、取引の開始を告げる鐘も鳴らさないという異例の幕開けとなりました。 初日の取引。日経平均株価の終値は地震の影響を見極めたいという姿勢や、前日のアメリカ株の下落などを受け、去年の終値に比べ175円安と下げで始まりました。 こうした中、証券会社などの団体による新年の集いで、今年の株価の予想を聞いてみると─ 「日経平均株価は4万円に向かっていくのではないか」(大和証券グループ本社の中田誠司社長) 「9月にかけては4万円の大台をつけてくるのではないか」(SMBC日興証券の近藤雄一郎社長) 「高値では4万円。おそらくバブル後の最高値にチャレンジする年になるのではないか」(野村ホールディングスの奥田健太郎社長) 証券会社3社のトップは揃って「4万円」の大台、史上最高値を付けるという見通しを示しました。背景にあるのは、企業の好業績が続くという見立てだといいます。 その金融業界が今年、期待を寄せるのが、今月から始まった新NISA。今年初めの営業日、銀行には早速、相談に来る客の姿がありました。 新NISAでは、株式や投資信託の運用益が非課税になる投資限度額が1800万円までと、最大で従来の3倍に拡大し、保有できる期間も無期限となりました。 相談に来た客は、「以前は投資に興味のある人、元手のある人にしか手が届かない印象があった。新NISAの制度は、ちょっとずつ積み立て感覚ででき、ハードルが低くなった」と話します。 みずほフィナンシャルグループでは、ここに来てNISAの口座数が従来の2倍にあたる月1万件ペースで増加。貯蓄から投資への動きが本格的に進むと期待します。 「新NISAで間違いなく投資が進む。初めての客、今まで投資をしていた客も増えると普段の相談の中で非常に強く感じる」(みずほフィナンシャルグループの岡井友美子さん) 多くの企業が仕事始めを迎えた4日、東京千代田区の神田明神には、商売繁盛を願う多くの参拝客の姿がありました。 今年の経済への期待を聞いてみると、 「住宅の購買意欲が湧いたこともあり、業績は好調が続いている」(不動産業) 「去年の売り上げを圧倒的に超えたい」(ウェブ制作) 「為替が落ち着いたので、新しいことにチャレンジして新しい分野を開拓したい」(IT企業) 一方、金融緩和の出口政策について注目される日銀の植田総裁は、賃金と物価の好循環が進むことに期待を寄せました。 「賃金と物価がバランス良く上昇するようになれば、企業はこれまでより柔軟な賃金、価格の設定や商品戦略をとることができ、さまざまなイノベーションや研究開発投資にも前向きに取り組むことができる」(日銀の植田総裁)