辰年の日本経済 株価・物価はどうなる? 証券会社3社トップは揃って日経平均株価4万円を予想【WBS】
食品・日用品 値下げの動きも
今年の物価はどうなるのか。帝国データバンクの調べによると、去年は食品だけでも3万2000品目が値上がりした「値上げラッシュ」の1年でした。ただ、消費の現場ではある変化も出ています。 首都圏などで32店舗を展開するホームセンター「綿半ホームエイド」の牧島禎彦社長は「日清カップヌードルは通常150円が113円。値引き率でいうと20%引きくらいになる」と話します。 さらに、靴下の3足セットは547円が327円と40%引き。人気の電気ケトルもこれまでの価格より40%安くなっています。綿半ホームエイドの店舗では、先月から日用品や食品など、約600の商品を平均で2割値下げしたといいます。なぜ値下げできたのでしょうか? 「原材料の値上げを売価に転嫁しないとやっていけない状況が続いていたが、だいぶ原価が落ち着いてきた」(「綿半ホームエイド」牧島禎彦社長) 原材料価格の上昇が一服したことで、値下げができたといいます。そして、今後は更なる値下げを行いたい考えだと言います。 「今の値下げは600品目だが、次は今のアイテムも含めて1000品目くらいは視野に入れていきたい」(牧島社長) スーパーなどでも値下げの動きが広がっています。 イオンは去年9月と12月にプライベートブランドの食品や日用品、合わせて60品目を値下げしました。また、東武ストアも、去年から食品などの値下げを続けています。値下げを可能にする原材料価格の見通しは今年どうなるのでしょうか? 多くの食品に関わるのが小麦の価格です。その見通しについて、日清製粉グループのトップ、瀧原賢二社長は、「1月10日から業務用の小麦粉、2月1日から家庭用の小麦粉を値下げする予定」と話します。 国内で消費される小麦の8割以上は輸入小麦で、政府が一括して調達し製粉会社などに売り渡しています。その政府の売り渡し価格が、去年引き下げられたことを踏まえ、今年は3年ぶりに、小麦の販売価格が値下げとなるのです。 しかし、今後の見通しについて瀧原社長は、「今の時点でことし4月に価格が上がるか下がるかはなかなか予見しづらい。大きく上げることも下げることもできない状況が続くとみている」と話します。 今年の物価の見通しはどうなるのか。専門家は、「賃金が上がってくれば、当然物価の上昇にもつながると思う。賃金の上昇と物価の上昇でうまく経済が回る方向に、2024年の後半は向かうと思う」と話しています (帝国データバンク・情報統括部 藤井俊部長) ※ワールドビジネスサテライト