力投する中京大中京・田中太

◇19日　高校野球秋季東海大会1回戦　中京大中京1―0宇治山田商（ちゅ～るスタジアム清水） 　中京大中京（愛知2位）が宇治山田商（三重3位）に1―0で競り勝って、準々決勝進出を果たした。先発した田中太久哉投手（2年）が相手打線を6安打に完封した。聖隷クリストファー（静岡3位）、中京（岐阜2位）、岐阜第一（岐阜3位）も8強入りした。 　要した球数はわずか88球。中京大中京の田中は持ち前のテンポのいい投球でアウトを積み重ねていった。公式戦で先発として最も長く投げたのは5イニング。練習試合を含めても初の完投を完封でやってのけ、こう胸を張った。 　「監督から『先を見ずに、1イニング1イニング』と言われていたのでそこを大事にしていた。初戦を勝てたことは大きい」 　この日は念願かなっての先発登板だった。秋から背番号1を背負うが、愛知県大会では全てリリーフでの登板。「割り切ってやっていた」というが、決勝の至学館が転機となった。1―5の5回に3番手で登板。5イニング無失点と好投しながら、チームは逆転することができず敗れた。 　「至学館戦で自分が後半からいって負けてしまった。そこから先発でいってチームを勝たせたいなと思った」。この日の先発は木曜に告げられたといい、「うれしかった」と気合十分だった。 　高橋源一郎監督（45）は田中の先発起用について「東海大会の初戦。エースとしての信頼も経験もあるので、田中じゃないとリズムに乗れないと思った」と説明。この日の投球を「よく投げてくれた。エースとして、チームを勝ちに導けたというのはすごく評価してます」とたたえた。 　準々決勝では出身の岐阜県を制した大垣日大と激突する。「岐阜の1位に絶対に負けたくない。今日と同じく先を見ずに一人一人気持ちを入れて頑張りたい」。エースとして簡単にマウンドは譲らない。