8大世界戦、一番面白かったのはどれ?
6WBA世界Lフライ級戦 ○田口良一vsロセル “強可愛い”とテレビ局にニックネームをつけられた。田口は序盤固さが目立ったが王者とのリーチ差を利用、相手がひるんだすきに攻めた左ボディでダウンを奪うと、そのボディを軸にペースを握った。井上尚弥に日本タイトルを奪われながらも、その屈辱を胸に再起。そのストーリーは尊敬に値するが、今回のWBA王者の質も含めて世界戦としてのレベルは低かった。次戦は暫定王者との統一戦。本人も「次は強い相手。もっと練習して強くならないと」と言っていたが、その試合で真価を問われる。 7位 WBA世界Sフライ級戦 △河野公平vsヒメネス 判定は三者三様のドロー。筆者の採点は河野についたが、挑戦者の直線的な動きに翻弄された。テクニックは河野が明らかに上回っていて、ヒメネスは接近戦では、からっきしだっただけに、もう少し工夫が欲しかった。「試合途中で昔に戻っているぞとセコンドに言われました。反省の多い試合」とは河野の試合後コメント。 8位 WBC世界Lフライ級王座決定戦 八重樫vs○ゲバラ 激闘となり鼓膜を破られたローマン・ゴンザレス戦から、わずか3か月で、しかもひとつ階級を下げてのWBC世界ライトフライ級王座決定戦は過酷すぎた。減量の影響から動きが悪く、出入りなのか、足を止めてプレッシャーをかけるのか、どちらにもシフトできずに中途半端なまま、7回に左ボディで息の根を止められた。「体がしびれてしまった」。我慢強い八重樫がボディで倒されるのは、よほどのこと。それだけコンディションが悪かったという証明だろう。再起するならば再びフライに戻すべきだろうが、世界戦2連敗のあとだけに次は前哨戦が必要。筆者は、八重樫の現役続行の灯が消えていないことを確認している。