8大世界戦、一番面白かったのはどれ?
3位 WBA世界Sフェザー級戦 ○内山高志vsペレス 1年ぶりのブランクを感じさせず35歳の内山がアルゼンチンの元オリンピアンを9回終了時点で棄権させた。スピード、反応、テクニック、パワー、ガードを軸にしたディフェンスの5要素に加え「倒してやる」の気迫が全ラウンドにわたって出ていた。ボクシングの基本中の基本「左が世界を制する」を世界戦のリングで実践したレベルはさすが。本人は、TKO決着に不満で「60点」と自己採点したが、ここ4年負けなしのタフネスにギブアップを言わせたボクシングは、まさにミスターボクシング。WBA同級王者、三浦隆司との統一戦が期待されているが、すぐには実現が難しそうだ。 4位 WBO&IBF世界ミニマム級王座統一戦 ○高山勝成vs大平剛 後からジャッジを見ると3ラウンドまで大平が優勢。4回にボディ攻撃から持ち前の手数と回転力で形勢を逆転させて7回にはKOに結びつけた高山のファイティングスプリットと、それを可能にしたスタミナ、フィジカルは、日本初の4団体ベルト制覇を成し遂げたチャンプにふさわしいもの。一時期、日本にライセンスを返して、当時、認可されていなかったIBFでタイトルを奪った先駆者。そのパイオニア精神をリングで体現した。名古屋のホープ、田中との世界戦は実現するのか。 5位 WBC世界ライト級王座決定戦 ○ホルヘ・リナレスvsブリエト 至近距離からの右で仕留めた。ラスベガス級の実力を見せ付けての4回KO勝利。昨年一度決まっていた世界戦が相手の故障で流れ、やっと巡ってきたチャンスで3階級制覇を成し遂げた。ベネズエラ出身だが17歳で来日して帝拳と契約。日本を本拠地としていて(一時、ベネズエラに帰国)日本語は達者。これまでオフェンスのレベルの高さの一方で、もろさとメンタル面でのムラが弱点だったが、成長した面を見せた。本人は、「WBAのベルトが欲しい」と統一戦を訴えているが、再びラスベガスに主戦場を移せば、金を稼ぐボクサーになれる素材。