【ONE PIECE考察】巨大ロボ・エメトの正体は? 明かされたジョイボーイの新事実
※本記事は『ONE PIECE』最新話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。 『ONE PIECE』のエッグヘッド編にて初登場し、最も重要なポイントで大きく活躍した“エメト”。かつてジョイボーイの仲間であった彼は、多くの新事実判明に貢献しながら、新たな謎も残した。 果たして、エメトとはどのような存在なのか。今回はエメトに関わる重要ポイントやその正体予想を、ワンピース研究家の神木健児氏に聞いた。 「まず、エッグヘッド編のエメトの登場と活躍で、ジョイボーイの新情報が次々と明らかになったのが大きいですよね。エメトとジョイボーイは、800年前に共に生きた仲間でした。そして、エメトがニカになったルフィとジョイボーイを重ねていたので、ジョイボーイもニカになっていたのはほぼ確定でしょう。まだシルエットだけですが、ジョイボーイもルフィと同じように麦わら帽子を被っていたこともわかりました。他にもエメトとの会話から、ジョイボーイの口調や性格の一端もみえました。ジョイボーイは、超重要人物であるのは確実でありながらも、長年素性が明かされていなかった存在です。ファンとしてはその新情報が多く描かれただけでも、エメトが登場した価値は大きいですよね」 エメトが活躍した場面といえば、ジョイボーイとの強い繋がりを感じさせたあのシーンだろう。 「『ONE PIECE』にとって、過去から未来への伝播は重要なテーマの1つだと思うんです。例えば、覚醒した悪魔の実の能力は、半永久的に影響を残すのではないかとファンの間では考察されています。パンクハザードはサカズキとクザンの影響で、灼熱の土地と極寒の土地が混在する島になりました。偉大なる航路(グランドライン)を挟む凪の帯(カームベルト)は、過去のナギナギの実の能力者の影響が残った場なのではという考察もあります。そして、今回エメトがロープの結び目を解き、ジョイボーイの覇王色の覇気を現代に蘇らせました。このシーンが描かれたときは、単純に覇気を保存できるという展開にめちゃくちゃワクワクしましたよね。覇気を未来に伝えられるなら、これまでに登場した謎にも関わってくる可能性は十分にあると思います。もしかしたら、歴史の本文(ポーネグリフ)が決して傷つかないのは、過去の何者かが武装色の覇気を纏わせているからかもしれません。ロジャーが遺した“おれは死なねェぜ”の意味は、力を込めた覇気を保存しているという意味かもしれません。覇気の保存は、悪魔の実の覚醒レベルの、重要な事象である可能性が高いように思います」 突如ルフィたちの前で目覚めたエメトだが、彼が最後に起きたのは900年前ではなかった。 「エメトは900年前から今まで、1度も起きなかったわけではありません。エッグヘッド編のラストに描かれたサターン聖の回想にて、200年前にも世界政府を相手に暴れたことが判明しました。そうなると、200年前になぜ起きれたのかも気になりますよね。現代でエメトが起きたのは、ルフィがギア5を発動した際の解放のドラムがきっかけのようにみえました。もしかしたらジョイボーイとルフィの間にも、ニカになれる人物が存在したのかもしれません。かつての仲間と同じ音を鳴らす男を無事に出航させ、眠りについてしまったエメト。解放のドラムを鳴らせるルフィは遠ざかってしまいましたし、エメトが自ら再び起きあがりルフィのもとに行くとも思えません。そう考えると、残念ながらリアルタイムでのエメトの働きは終わってしまったのでしょう」 ルフィを逃がしてくれたエメトが助けに来るのは難しくても、エメトが再び活躍する可能性はあるのではないかと神木氏は続けた。 「そもそもエメトは、その存在自体が謎だらけです。見た目はロボットのようですが、口調や思考からは完全に意思を感じます。その正体について、900年前に巨大な王国を守っていた人工的な兵士のような存在だと考えると、1番しっくりくるのではないでしょうか。人工兵士なのだとすれば、エメトが複数いる可能性もありますよね。それこそ、もしエルバフ近くの海中に大量のエメトが眠っているという展開があれば、再びルフィの解放のドラムで起動し共に戦ってくれるかもしれません。大量にいるにしても1体しかいないにしても、自我を持つエメトが本当に人工物ならば、その技術はクローンであるステューシーやセラフィムレベルです。それだけでも、かつて存在した巨大な王国の科学力の高さがわかりますね」 エメトがジョイボーイと共に過ごした時代は、まだまだ謎だらけだ。エメトの今後の動向を追いながら、抹消された歴史の真実が明かされるときを心待ちにしたい。
青木圭介