ヤンキース 球数制限などの“田中ルール”が導入される?
ヤンキースへの入団が決まった注目の新人・田中将大について、通用するか否かの賛否両論が沸騰する中、早くも登板過多を懸念するあまり、球数制限などの“田中ルール”を設けるべきだという声が上がっている。 7年総額1億5500万ドル(約162億円)の大型投資で獲得した右腕が、昨年の日本シリーズでの第6戦で、160球を投げた翌日にストッパーとして連投したことは、米国でも大きな話題になった。肩を消耗品と考えるメジャーでは、25歳までに日本で通算1315イニングを投げている経歴が、心配されているからだ。 ■かつて作られた新人保護の「ジョバ・ルール」 この日は、球団公式サイトの番記者が田中の起用法について言及した。一般ファンの「田中は球数制限すべきか」という質問に対して、「ジョバ・ルールのようなものが出来ても驚かない」と語っている。ジョバ・ルールとは、日本では聞きなれない用語だが、ジョバ・チェンバレンという投手が、ヤンキースで救援投手としてメジャーデビューした2007年に、当時のジョー・トーレ監督が、新人の酷使を避けるために作った特別ルールのことを指す。 「連投はなし」、「1イニング投げれば1日休み」、「2イニング投げれば2日休む」というように、休養を十分に与えることで、肩、肘が壊れることを防ごうとしたもの。当時のヤンキースが、将来的には先発ローテーション投手として期待していた有望右腕に与えた“特別ルール”だった。 結果的に同投手は、その年、主に中継ぎ投手としてプレーしたが、“ジョバ・ルール”のかいもなく、2011年には右肘靱帯再建手術も経験した。今オフにFA権を獲得し、タイガースに移籍している。同記事は、「ジョバ・ルール」ならぬ、「田中ルール」の設定もアリと考え、「キャンプから監督、コーチが、しっかりと管理すべきだ」と論じている。 地元紙「ニュージャージー・スターレジャー紙」は、26日付けで「ヤンキースは特別に田中を擁護すべきだ」の見出しで長文記事を掲載していた。同記事は、甲子園で、5試合で計742球を投げた田中の高校時代の“酷使”にも言及。「六人制ローテーションを組むことを検討してもいい」とさえ提案している。