シャンシャンフィーバー、でもどうして上野動物園は大幅黒字にならないの?
無駄遣いを懸念する指摘も
しかし、収支相償の規定に縛られるあまり、公益法人が収支の帳尻合わせで無駄遣いをしてしまう懸念はないのでしょうか? 「そうしたご指摘は、公益法人関係者の間でも議論になります。関係者からは、『公益事業の収支相償の弾力的な運用を法律で明文化してほしい』という意見もあります。今後も、そうした収支相償の議論はされていくと思いますが、現在は単年度で費消せず、中長期に収支を満たすといった弾力的な運用や財務状況を透明化するなど、無駄遣いをしないように努めています」(同)。 収支相償の規定が適用されるのは、あくまでも公益法人の公益事業の分野に限った話です。シャンシャンフィーバーは、園内のレストランやグッズ販売といった収益事業にも及んでいます。また、園外のレストランやカフェも親子連れやカップルでにぎわい、関連グッズ販売も大盛況です。 上野の街全体がシャンシャンフィーバーで盛り上がっています。シャンシャンフィーバーは、まだ冷める様子がありません。 小川裕夫=フリーランスライター