医師が明言、がん診断時に「必ず確認すべき」3つ 進行したがんや再発がんは治癒することは困難
なぜなら、治療は患者さんとそのご家族が、がんとよりよく共存するためにあるからです。 この先、患者さんがよりよい人生を送るために治療するのであって、治療は手段の一つであっても、目的にはなりません。 もしも、人生を台無しにするような治療なら、本末転倒です。 しかし、がんの治療には、ともすればそうなる可能性があります。 だから、これから受ける治療で、自分が幸せになるかどうか、自分にとっての望みは何であるかを医師にしっかり伝えて、話し合っていただけたらと思います。
咽頭がんや喉頭がんで、声を仕事にしている方から手術で声帯を除くことがベストなのか、あるいはピアノなど楽器演奏が趣味の方に手や指がしびれる副作用がある抗がん剤を使うのが適切かどうかなど、よくよく考えなくてはなりません。 抗がん剤の種類もたくさんありますから、そうした副作用を避ける治療も可能になってきています。 また、患者さんが何よりも大切にされている行事のようなものがあれば、できるだけそれに参加できるようにタイミングの調整も必要になります。
そのためには、治療のなるべく早い段階で、自分はこういう仕事をしているとか、日々、こういうことを大切にしているということを積極的に医師に伝えてください。 残念ながら、医師からそうした患者さんの背景などはあまり聞きません。 だから患者さんのほうから伝えたほうがいいと思います。 がんの治療は長く続くものだから、そうやって双方向のコミュニケーションに基づいて行われるのが理想なのです。 ■ステージによって治療の目的は変わる
そして、がんにはステージが5段階ありますが、治療もステージによって、その目的が変わります。 一般的に、ステージ1、2の段階にあるがんを「早期がん」、ステージ3、4を「進行がん」と呼びます。この早期がんと進行がんで、「治療の目的」が変わるのです。 早期がんの治療目的は「再発を減らし、治癒を目指すこと」です。 ですから、科学的データに基づいた積極的治療となり、患者さんには、手術や放射線治療をはじめ、負担が大きくてもがんばりどきとして、治療に臨んでいただくことが多いです。