カギはEVにあり? イマドキのクルマはここが重要! 「乗り心地」はこの先どこまでよくなる?【10年前の再録記事プレイバック】
■渡辺陽一郎の見解
乗り心地は人により好みが違う。フワフワと柔らかいタイプ、適度な引き締まり感が伴って揺れが早期に収まるタイプなどいろいろだ。今は走行安定性との調和、路面状況をドライバーに伝える意味で後者が増えたが、いちがいには決めにくい。 総合的に足まわりが上質と感じたのは、プジョー508セダンのアリュールで16インチタイヤを装着した仕様。地味だが乗ると驚く。しなやかに路面のデコボコを吸収し、安定性も高い。奥が深いクルマだと感じた。 これが一般的な選択なら(違うか?)、走っているのか止まっているのかわからないほど快適なのがセンチュリー。 ステアリングは路面状況をほとんど伝えず、いかにも16年前に登場したクルマだが、乗り心地は重厚。後席の座面も厚く、路面からの振動をほぼ完全に吸収する。遮音性もきわめて優れ、路面を含めて外観との隔絶感が凄い。 予想外に快適だったのはリーフ。ボディは小さいのに骨太。エンジンの振動がないことも、乗り心地を高めている。 となれば乗り心地は今後も進化する。究極的にしなやかな足まわりを備えた電気自動車。これは大げさでも進化の余地はある。 問題はタイヤの転がり抵抗。今は燃費が重要で、乗り心地を優先しにくい。連係を図りつつ、少しずつ進化していく。ユーザーが愛車を選ぶ時、乗り心地を重視することも大切だ。 ふたりが挙げたなかで共通していたのは日産リーフ。 国沢氏はマイチェンを受けるまでの前期型に限定しているものの、最新のゴルフVIIとほぼ同等の乗り心地のよさと評価。 渡辺氏はエンジン振動のないEVならではのよさを評価した。限界はEVにかかっているのかもしれない。