愛犬の介護で体調を崩し44歳で緊急搬送された大河内志保の現在「50代でも不調しらず」でいるために7年かけて学んだこと
その後、師匠と仰げる先生に出会うことができ、7年間、発酵学について学びを深めました。最近、師匠から「合格」をもらって、ようやく納得できる段階に到達したところです。体調面も安定し、30、40代のころより今のほうがパワフルに活動できている実感があります。 ── 現在は「美容健康食プロデューサー」や、日本の食の豊かさを発酵を通して伝える「醸せ師」としても活動されていますね。 大河内さん:この30年間、人の健康のために食事や栄養について学び続け、1万軒以上のお店に赴いて、一流の職人さんの技術や味を学び、五感の鍛錬を行いました。今後は、これまでに得た学びを、たくさんの人に広げていきたいと思っています。今年、53歳になりますが、体調面も美容面も不調知らず。友人や知人からは「50代とは思えないくらい元気で生き生きしている」とよく驚かれますが、私が健康でいられるのは、「食」の力だと考えています。
「人生100年時代」と言われていますが、「健康で幸せに生きること」が大切です。寝たきりになりながらの長生きではなく、健康長寿がどれだけ長く続けられるかが重要だと思います。病気になる前に、予防医学と生活習慣、心のあり方で未病を食い止められることを、これまでの人生で身をもって体験してきました。 今、自身や家族の体調に不安を抱えている方や、闘病中の方、子育てに悩んでいるお母さん方から「食について学びたい」というメッセージを多くいただいています。今後は講座やイベントを通して、発酵料理や日本の伝統文化が持つ力を伝えていきたいです。
── 大河内さんの人生で得た知識と経験のすべてが、今の活動に集約しているのですね。 大河内さん:そうですね。私の人生でムダなことはひとつもありませんでした。特に、食についての学びは、技術の向上とともに「心への作用」にも気づかせてくれました。学びを深めるごとに、私自身の心の鍛錬にもなりましたし、食べる人にとっての心の潤いにもなると知ることができました。今後は誰かの心の潤いになるよう、私の知識と経験をおすそわけしていきたいと思っています。
PROFILE 大河内志保さん おおこうち・しほ。モデル、タレント、料理家。1971年、東京都生まれ。1990年にJALのキャンペーンガールに選ばれてモデルデビュー。1992年にはクラリオンガールに選出され注目を集めるが、プロ野球選手の新庄剛志さんとの交際を機に芸能界を引退。2000年に結婚、2007年に離婚。以降は、芸能活動に復帰し、発酵食への学びを深め、料理家としても活動の幅を広げている。保有資格:調理師免許、日本伝統発酵料理伝承師。 取材・文/佐藤有香 写真提供/大河内志保
佐藤有香