待ってました!大歌舞伎 長野県松本市で開幕、1400人魅了
第8回信州・まつもと大歌舞伎が12日に開幕し、会場のまつもと市民芸術館(松本市深志3)で2公演が行われた。歌舞伎舞踊の名作「正札附根元草摺」「流星」と、新作歌舞伎の「福叶神恋噺」が上演され、計1400人が3年ぶりとなる待望の大歌舞伎を楽しんだ。 今年は松本に大歌舞伎を定着させた歌舞伎俳優・中村勘三郎さんの13回忌に当たり、遺志を継ぐ長男・中村勘九郎さん、次男・中村七之助さんら中村家一門が出演した。「正札附根元草摺」は豪快さと華やかさを併せ持つ舞踊で、鎧の草摺と呼ばれる部分を引き合う荒々しい舞が最高潮に達すると、客席から大きな拍手が沸き起こった。 「流星」では4人の雷たちの騒動を勘九郎さんが一人で踊り分け、軽妙洒脱な舞で観衆を魅了。「福叶神恋噺」では勘九郎さん演じる「貧乏神すかんぴん」と、七之助さんの「貧乏神おびん」がやりとりする場面もあった。 歌舞伎を初めて見た松本市沢村3の会社員・鈴木佳祐さん(29)は「役者の迫力に圧倒された。会場の雰囲気が良く、客席が一体となって盛り上げていた」と興奮気味に話した。平成20(2008)年の第1回から訪れている松本市村井町南1の主婦・松澤祐子さん(66)は「何役も演じ分ける勘九郎さんの舞に心奪われた。体力がすごい」と感嘆していた。 公演は15日まで。13日は正午と午後4時から、14日と15日は正午に開演する。開演1時間前に2階主ホール前で当日券を若干枚数売り出す。
市民タイムス