迫りくるバッドエンドの予感…石黒賢“石川”が織田裕二“司馬”を糾弾<振り返れば奴がいる>
映画やドラマを観る際に、作品関連ネタをたくさん頭に入れてから楽しむ“事前準備派”と、一切の情報をシャットアウトして鑑賞したい“ネタバレNG派”がいる。最近ではサブスクで往年のヒット作を見ることができるゆえ、すでにストーリーの全貌や名シーンは世に知れ渡っていることも多いが、それでも何度でも見たくなるのが名作というもの。 【写真】「IQ246~華麗なる事件簿~」で織田裕二が石黒賢と再共演 織田裕二と石黒賢主演のドラマ「振り返れば奴がいる」(1993年放送、フジテレビ系)は全11話(特別編あり)の放送で、今回紹介するのは第9・10話。つまり、クライマックスまであと一歩という回だ。登場人物たちのヒリヒリするようなぶつかり合いは最高潮を迎えようとしている。(以下、ネタバレが含まれます) ■司馬と石川が製薬会社とのつながりをめぐって対立する 現在FODでは「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」キャンペーンを開催中。人気のフジテレビドラマを楽しむことができ、「振り返れば奴がいる」も10月5日(土)まで第1~3話が無料公開中のほか、第9話も9月29日(日)まで、第10話も10月1日(火)まで公開中だ。 今作は、大病院に赴任してきた熱血漢の青年医師・石川(石黒賢)と、若くして天才的なメスさばきを誇る司馬(織田裕二)が、医師としての信念を巡って激しく衝突していく様が描かれる。公開中の映画「スオミの話をしよう」で監督・脚本を務める三谷幸喜が初めて脚本を担当した連続ドラマ作品としても有名だ。 第9話は、裏金疑惑のある司馬が矢面に立つ購入委員会の様子が描かれる。何か考えのある中川(鹿賀丈史)は、司馬から渡された金を返した。石川は、オットー製薬の良子(中村あずさ)に「裏で取り引きがあったのだろう」と問いつめる。司馬は金を平賀(西村雅彦)に渡し、「中川部長のところへ持っていけ」と命令するが、中川は受け取らない。会議室で購入委員会が始まると、中川が司馬とオットーの間に特別な関係があると証言。そして、良子も同じような証言をして司馬が追い詰められる。 ■末期ガンを患う石川が吐血してしまう… 続く第10話では、ガン患者の佐岡(坂本あきら)の容態が急変する。司馬の手で緊急手術が行われたが、もう手遅れの状態で笹岡の家族が呼ばれた。司馬は早く楽にしてやった方がいいと考え、石川は、最後まで手を尽くしてやるべきだと考える。本人と家族の意思に反した安楽死は殺人だという石川と、死なせてやろうという司馬が激しく対立。司馬は、石川と春美(松下由樹)が病室を離れたのを見て、笹岡のベッドに近づき、劇薬の鎮痛剤を笹岡の腕に投与…それは安楽死の決行を意味していた。 製薬会社との金銭問題に、医師の安楽死問題。司馬の疑惑は深まるばかりなのだが、石川は末期の胃ガンを患っており、もはや司馬との対決は命懸けの形相である。顔は青白く、唇から生気がなくなりながらも、自分の正義感で司馬を糾弾する姿は鬼気迫っている。司馬も司馬で、亡き父の死以降、延命治療は患者のためにならないという信念があるし、生前の笹岡からお願いされていたという経緯もある。お互い一歩も譲らないといったところ。 石川としては命が尽きるまで医師としてまっとうしたい思いがあるのだが、第10話の最後、ついに吐血してしまう。石川の手術を執刀するのは誰なのかという部分や、対決の行方が気になる中、いよいよラストだ。この一気見の機会で、“事前準備派”も“ネタバレNG派”も一緒に楽しんでみようではないか。