センバツのドラフトA評価は2人
どの球団も喉から手が出るほど欲しい捕手の素材としては、静岡の堀内謙伍と、健大高崎の柘植世那の2人の名前が挙がった。 「健大高崎の柘植はスローイングが速く、ボーイズリーグからの試合経験が豊富なのだろう。間のとり方などリードのうまさも目立つ。打つ方ではパンチがある。 また静岡の堀内も肉体的に均整が取れていて典型的なキャッチャータイプの素材。肩も強く、バッティングでは軸が安定している。時間をかけて次のキャッチャーを育てたいチームは狙うだろう」 野手の方では、内野では遊撃、外野では足を含めた走攻守。また将来大砲に育つポテンシャルの高さがプロのチェックポイント。その視点で、内野では仙台育英の平沢大河、木更津総合の檜村篤史、静岡の安本竜二の3人の名前が挙がった。 「平沢の足、木更津総合の檜村は、左右の違いこそあれ、基礎体力もあって阪神の鳥谷を彷彿させる三拍子揃った好素材だ。積極性が足りないのが課題だが、そのあたり気持ちを前面に押し出してもらいたい。静岡の安本はスケールの大きさを感じる」 外野手では、走力をポイントに天理の舩曳海、仙台育英の青木玲磨、木更津総合の小原直起の3人、バッティングでは、2回戦の今治西戦で初回に満塁本塁打を放った常総学院の荒原祐貴、大阪桐蔭の青柳昴樹がチェックされた。 「天理の舩曳と木更津総合の小原の脚力は目を引く。長打力の潜在能力では常総の荒原と大阪桐蔭の青柳の2人。荒原はチャンスで打ったという勝負強さも買い。甲子園という大きな舞台で結果を出せるか出せないかも重要だ。プロに毎年選手を輩出している大阪桐蔭の選手は、野球を知っているしメンタルが逞しい。プロ向きとも言える」 また片岡さんは、「ファーストという守備位置がプロではマイナス材料となるのだが、外角のボールを左中間に振りぬいた天理の坂口の打力には魅力を感じた」と、天理の坂口漠弥もピックアップした。 「春から夏へどう成長するのか。またセンバツには出てこれなかったチームにもA評価の選手が少なくない。スカウトにとって追跡の日々が始まるよ」と、片岡さんは、センバツのドラフト候補チェックをまとめた。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)