【リニア】意見分かれるボーリング調査 流域10市町「前向き」、川勝知事は「慎重」、静岡市長は…
「県道トンネル」でも意見分かれる
28日の会見では、静岡市の山間部で建設中の「県道トンネル」についての質問も出ました。リニア工事に関係する車両も「県道トンネル」を利用するため、およそ140億円の整備費をJR東海が全額負担することになっています。 しかし、台風などの影響で、当初「今年度中」の予定だった掘削工事の着手は、夏ごろにずれ込む見込みです。
この事態に、川勝知事は…。 静岡県 川勝平太知事(1月15日):「工事をするための、工事ヤードに行くための準備するべきことがあります。それはJR東海と、静岡市が結んだ、この三ツ峰落合線(トンネル)ができていない。これは三ツ峰落合線を通って工事ヤードに資材等を運ぶという、そのためのトンネルでしょ?」
これに対してJR東海の丹羽社長は。 JR東海 丹羽社長(1月18日) Q.川勝知事が、トンネル工事が完成しないと。そもそも工事用ヤード整備ができないといっているが? A.「県道三ツ峰落合線に関わらず、工事ヤードの整備は可能であると考えている」 「トンネルができなくてもヤード建設は可能」という考えです。
そして28日、難波市長は。 静岡市 難波喬司市長:「そこを言うと、そこだけ取られるので、あまり答えたくないんですけど、やっぱり聞かれるとお答えしないといけないと思いますので、ヤード工事とトンネルは関係ないですね。それは、(県道)トンネルが掘れないとヤードに行けないわけではなくて、現にヤードには建設機械がいっぱい入っているわけですから、ヤード整備と三ツ峰落合線のトンネル工事は何ら関係はないと思います」
やはり、川勝知事との見解にはズレがあるようです。リニア問題を巡っては29日、国が新たに設置する初のモニタリング会議が開かれます。南アルプスを守るためには何が最善策なのか? 各方面で今後も議論が続きそうです。