５回、立岡の適時打で二走・秋広が生還（撮影・金田祐二）

　「西武１－７巨人」（２日、ベルーナドーム） 　首位浮上を導いた殊勲者は試合後、球団スタッフが乗る車で帰路に就いた。服装はジャージー姿。巨人・秋広優人内野手が２メートルの体を縮こまらせ、恥ずかしそうに打ち明けた。「私服だけがなかったです、私服だけ」。２軍のビジター試合からドタバタの緊急昇格。７５キロ、１時間３０分の移動でスタメンに名を連ねた。 　試合開始３時間前、異変が起きていた。坂本が腰の張りを訴えて打撃練習を回避。出場が困難な状態と判断した阿部監督は、２軍戦に出場予定だった秋広の昇格を決めた。本人はイースタンＤｅＮＡ戦出場のため、神奈川県平塚市にある球場でアップ中。マネジャーから昇格を伝えられた。 　「野手ミーティングに行こうかと思っていたら、ベルーナに行ってこいと。最初はウソかなと思ったんですが、本当でした」。２軍戦は寮からバス移動。私服もなくジャージーでスタッフの車に乗った。移動中はｉＰａｄで西武投手陣の映像を確認。練習終了２０分前にグラウンドに到着すると、キャッチボール、ノック、打撃練習と慌ただしい準備でスタメンに入った。 　０－０の五回、第２打席で左前打。小林の犠打で二塁に進み、立岡の左前打で先制ホームを踏んだ。阿部監督は「１本打っても２本目がいつも出ない。厳しく言っていこうかと思います」と及第点を与えないが、不測の事態で穴を埋める活躍。大事を取った坂本も、４日からのロッテ戦出場に支障はない。安定感抜群の投手陣に、野手は日替わりヒーロー。３カード連続の勝ち越しで、チームの勢いも加速してきた。