試合形式の練習で調整するSAGA久光スプリングスの選手（コート奥）ら（9月20日、佐賀県鳥栖市で）＝古島弘章撮影

　バレーボールの国内トップリーグとして新設された大同生命SVリーグが10月に始まる。九州からは、女子のSAGA久光スプリングス（佐賀県鳥栖市）が参戦。世界最高峰を目指して結成されたリーグで、どのような熱戦が繰り広げられていくのか、期待が高まる。（古島弘章） 【表】SAGA久光スプリングスの選手

　SAGA久光スプリングスは久留米アリーナ（福岡県久留米市）で来月13日に行われるKUROBEアクアフェアリーズ（富山県黒部市）との開幕戦に向け、調整を進めている。

　9月20日はサロンパスアリーナ（佐賀県鳥栖市）で試合形式の練習を実施。攻撃を専門とするオポジット長岡望悠選手（33）は、ストレートに、クロスにスパイクを打ち分け、相手ブロックをフェイントで巧みにかわす軽快な動きも見せていた。

　チームの特長は攻撃力の高さだ。昨季戦ったVリーグ1部のレギュラーラウンドでは、アタック決定本数が12チーム中でリーグトップの1276本、決定率は40・4％で2番目だった。22試合すべてに出場した長岡選手は約25％にあたる311本をたたきだした。

　SVリーグでは今季、レギュラーシーズンに44試合が組まれている。試合数が増えても耐えられる体を作るため、砂浜で負荷をかけたトレーニングにも取り組んできた長岡選手は「戦い抜ける体の使い方や筋力的なベースを作ってきた」と力を込めた。

　これまでのリーグ戦と比べ、同一カードの連戦が増えるのも特徴だ。酒井新悟監督（55）は「戦術を一日ごとに見直さなければならないし、メンバーを替えながら戦わないといけない」と見据える。パリ五輪でもプレーしたミドルブロッカー荒木彩花選手（23）、主将でセッター栄絵里香選手（33）らの経験も欠かせない。

　この日の練習では、守備に特化したリベロを担う西村弥菜美選手（24）が、コートの最後列から積極的に声をかけ、新たに加わった外国籍選手らとの連係を確認していた。今季のチームには、ハンガリー代表のアウトサイドヒッター、グレタ・ザックマリー選手（32）ら5人が加入した。西村選手は「選手のレシーブの範囲を把握し、守りでスパイカーを助けたい」と意気込む。