5年パートで勤めているスーパーから「無期労働契約に転換できる」と聞きました。何かメリットはありますか?
パート・アルバイトの方が一定期間働くと、無期労働契約に転換することができます。ただ実際のところ、無期労働契約に転換すると、何がよいのかがよく分からないと感じる方も多いはずです。 そこで本記事では、有期労働契約と無期労働契約の違いをご紹介したうえで、無期労働契約のメリット・デメリットを解説します。賃金が上がるのかについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
有期労働契約と無期労働契約の違いとは
そもそも、有期労働契約と無期労働契約の違いがよく分からないと感じる方も多いはずです。ここでは、有期労働契約と無期労働契約についてそれぞれ解説します。 ■有期労働契約とは 有期労働契約とは、半年や1年などの期間を決めて結ぶ労働契約のことです。 有期労働契約で働いている方は「有期契約労働者」となりますが、一般的には「派遣社員」「パート」「アルバイト」などと呼ばれることが多いようです。 労働契約期間が切れるたびに更新する仕組みのため、期間満了にともない突然退職を言い渡される「雇い止め」がたびたび問題となっています。 ■無期労働契約とは 無期労働契約とは、有期労働契約のように期間の定めのない労働契約のことを指します。代表的な例としては、正社員が挙げられます。 ただし、労働契約法第18条により、有期契約労働者でも、同じ事業者で通算5年を超えて働いた場合は、無期労働契約に転換することが可能です。 なお、無期契約への転換は有期契約労働者側から申し込み、使用者は断れないルールとなっています。
パート・アルバイトが無期労働契約に転換するメリット・デメリット
パート・アルバイトの方が無期労働契約に転換することは、メリットがある反面、デメリットも存在します。ここでは、パート・アルバイトが無期労働契約に転換するメリット・デメリットを、それぞれ解説します。 ■パート・アルバイトが無期労働契約に転換するメリット パート・アルバイトが無期労働契約に転換するメリットは、以下の通りです。 ●雇い止めに対する不安がなくなる ●安定した収入を得られる ●スキルアップに向けて気持ちに余裕ができる 無期労働契約に転換する一番のメリットは、突然契約の更新を止められる雇い止めがなくなることでしょう。 無期契約労働者の雇用を終了させたい場合には解雇する必要がありますが、客観的に合理性を欠く理由で、社会通念上認められない場合には、権利濫用に該当するものとして解雇は認められません。 そのため、労働者としては、無期労働契約に転換することで安定して働けて、長期的なキャリア形成も図れるでしょう。 ■パート・アルバイトが無期労働契約に転換するデメリット パート・アルバイトが無期労働契約に転換するうえで考えられるデメリットは、以下の通りです。 ●雇用形態がどのようになるかは会社次第 ●業務・待遇は別段の定めがない限りはそのまま パート・アルバイトから無期契約労働者になった場合、その後の契約形態については、会社によって異なります。そのため、無期労働契約を結べても、正社員になれるわけではない点は留意しておく必要があるでしょう。 また、賃金などの労働契約についても、別段の定めがない限り、無期労働契約になったからといっても大きく変わりません。基本的には、有期労働契約の際の条件がそのまま引き継がれることになります。