先人の熱意、次世代へ 奄美群島日本復帰から71年 奄美市名瀬で記念のつどい
鹿児島県奄美群島が1953年12月に米軍政下から日本復帰して71年を迎えた25日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAで「日本復帰記念の日のつどい」があった。一般市民や市内小中学校の児童生徒ら約230人が出席。献花や講話を通じて、当時の復帰運動とそれを成した先人たちに思いをはせるとともに、復帰の歴史を次世代につないでいく決意を新たにした。 つどいは奄美市と民間2団体などでつくる実行委員会が主催。国歌斉唱の後、無血の民族運動を成し遂げた先人たちへの敬意と感謝を込めて参加者が献花した。会場では、復帰運動の指導者泉芳朗の詩「断食悲願」を、名瀬小6年生が同小校庭の石段の上で朗読する様子も映し出された。 主催者を代表して安田壮平市長が「先人たちが断食を通じて祖国復帰にかけた熱意や団結心は、ぜひとも後世へ語り継いでいきたい」とあいさつ。 続いて市文化財課の喜友名正弥さん(奄美博物館学芸員)が「奄美群島日本復帰運動と子どもたち」の題で講話。復帰前の島民たちの貧しかった暮らしぶりや、署名活動、断食、集会、ちょうちん行列などの復帰運動の様子を、当時の写真も紹介しながら伝えた。 金久中2年の生徒が復帰運動を学んだ感想を発表。「先人たちが平和的に成し遂げた領土問題の解決は、世界にも誇れるもの。1人でも多くの人に奄美群島の日本復帰を知ってもらうと同時に、平和の大切さ、自分から行動することの素晴らしさを未来につなげていかなければならないと強く思う」などと語った。 最後は日本復帰祝賀の歌「朝はあけたり」を参加者全員で斉唱し、万歳三唱で締めくくった。