JのCSが残した3つの課題 来季から開催方式変更へ
これらのうち【1】と【2】の解消と密接にリンクしてくるのが、レギュラーシーズンの開催期間の前倒しとなる。ファーストステージの開幕を2月最終週として、セカンドステージ最終節を10月最終週とする。 11月に入るとホーム&アウェーで争われるACLの決勝が第1週及び第3週に入り、国際Aマッチが設けられている関係で第2週もJ1は中断を余儀なくされる。一方でFIFAクラブW杯が日本で開催される関係で、12月第1週までにJ1王者を決める必要もあるなど、いわゆる「11月問題」は動かせない。 ならば、今年のように「飛び石」日程で佳境へ向かう興味をそがれてしまうよりは、10月末までにレギュラーシーズンを終えてチャンピオンシップの組み合わせを確定。チケット販売などに十分な告知時間を確保させる方法がベターではないかと、実行委員会内で議論されるに至ったのだろう。 もっとも、この場合でも【3】の過密日程の解消は懸案事項として残る。一発勝負の1回戦と準決勝、ホーム&アウェーの決勝と、11月の最終水曜日以降で最大4試合日を確保するには、どのようなスケジュールを組んでも、一部で必ず中2日の日程を強いられることになる。 それでも、実行委員の一人は終了後にこう語った。 「いずれにしても、百点満点はないわけだから。今年の開催方式がわかりづらかったのは事実なので」 決勝第2戦の視聴率は10.4%をマークし、広島地区に限れば35.1%という驚異的な数字を叩き出した。準決勝の5.1%から決勝第1戦の7.6%を経て、右肩上がりの曲線を描いた理由は、ピッチの上で手に汗握る死闘を連続して繰り広げた3チームの選手たちの頑張りを抜きには語れない。 「特効薬というものはないということをわかりつつ、それでも改善すべきところは改善してきたい。実際にやってみて、いろいろと修正すべきところもあると我々も思っています。今年の反省に先立って微修正やチューニングをしていくこともあるかもしれませんが、そこに関してはまだ継続議論でもあります」 村井チェアマンは自らに言い聞かせるように、静かな口調で今後を見すえた。今度はリーグとして、どのような施策を通じてJ1全体のクオリティーを高めていけるか。いずれにしても15日の理事会で、ある程度の方向性が示されることになる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)