ポスターを持つ（左から岡本専務理事、竹上市長、松本事務局長、松本副理事長＝市役所で

　三重県の松阪の市街地の文化施設やギャラリーなど11カ所に現役作家のアート作品が並ぶ第4回松阪カルチャーストリート（夕刊三重新聞社など後援）が、11月9日から同月17日にかけて開催される。それに先立ち、実行委員会（委員長＝中西勉・松阪市観光協会会長）の松本恵介事務局長（51）＝㈲松本紙店代表取締役社長＝と、構成団体のNPO法人松阪歴史文化舎の松本吉弘副理事長（68）、同観光協会の岡本孝雄専務理事（62）が18日、市役所に竹上真人市長を表敬訪問した。

船形埴輪など国宝化ちなむ

　4回目となる今回は、同市宝塚町で出土した船形埴輪（ふねがたはにわ）など278点が国宝に指定されたことにちなみ、「『かたち』の発見」をテーマに、特にメイン会場（入館有料）の旧長谷川治郎兵衛家（魚町）と旧小津清左衛門家（本町）、原田二郎旧宅（殿町）では「かたち」（立体造形）にこだわった展示を行う。 　松本事務局長は「『かたち』をフィーチャーし、彫刻、立体の作家を中心に、会場と融合する形で構成したい」と意気込む。 　出品作家9人のうち3人は地元松阪市にゆかりがある。同市深長町の高橋光彦さん（73）は長く松阪の中学校で美術を教えた。出口潮（しお）さん（28）は同市鎌田町出身で今は愛知県に住む陶芸家。平松嵩児さん（28）は愛知県出身だが、三重大学大学院を修了後、同市飯南町粥見のアトリエで制作している。 　その他、県内作家は熊野市の大西佑一さんと、いなべ市の横田千明さん。兵庫県から高木鈴香さん、愛知県から並木久矩さん（長野県出身）と細川和音（かずね）さん（香川県出身）、滋賀県から宮城歩夢さんが参加する。 　メインの3会場以外では▶岡寺山継松寺（中町）▶ギャラリーカフェうつくしや（同）▶サイトウミュージアム（魚町）▶GALLERY＋CAFE　DOODLE〈ドゥードゥル〉（中町）▶茶遊膳茶重ギャラリー遊空間（新町）▶pieceピースcafe＆store（本町）▶松本紙店ギャラリーMOS（中町）▶ギャラリー森田（同）──で会期に合わせて展覧会が開催される。 　11月9日午後2時からは、原田邸と旧長谷川家、旧小津家を巡るギャラリートーク、同月10日午後2時から40分間、魚町の豪商のまち松阪観光交流センターでサイトウミュージアムの田中善明学芸員によるアート鑑賞入門講座がある。 　竹上市長は「カルチャーストリートはすごくいい試み。町中で展覧会的に美術展をやるイメージ。ぜひ続けてほしい」とエール。松本副理事長は「歴史と文化に芸術も加わればすごく魅力的になる」と話した。