五輪メダリスト見延和靖選手ら“福井ドリームチーム”が国スポ登場 フェンシング、高校同級生トリオが恩師への感謝込めて奮闘
佐賀国民スポーツ大会(国スポ)のフェンシング成年男子に10月7日、“福井ドリームチーム”が登場した。パリ五輪エペ団体銀メダリストの見延和靖選手(ネクサス)、2021年東京五輪サーブル代表の徳南堅太選手、フルーレ元日本代表の阪野弘和選手(渋谷ユナイテッド)の3人で結成。旧武生商業高校の同級生トリオで、駆けつけた恩師への感謝も込めて団体戦に奮闘した。 3人は武生商高でフェンシングを始め、当時監督だった諸江克昭さん(福井県スポーツ協会常務理事)のもとで腕を磨いた。「日本一厳しい」といわれた練習で心技体の強さを身に付け、それぞれがトップ選手として羽ばたいた。 “ドリームチーム”は、佐賀国スポで現役を引退することを決めた徳南選手の呼びかけに、見延、阪野両選手が応じて結成された。諸江さんが今年3月に教員を定年退職したこともあり「3人で恩返しを」という思いも重なった。 勝利を目指し、3人は高校の先輩佐藤希望選手(大垣共立銀行)にコーチを頼み、9月に都内で合宿を行った。5年前に競技生活にピリオドを打ち、指導者の道を歩んでいる阪野選手は、期間限定の現役復帰となった。 国スポには高校時代と同じように、はちまきを着けて臨んだ。一つ違ったのは、額の文字を「武商魂」から「諸江魂」にアレンジしたこと。4チーム総当たりのフルーレ1回戦に気合十分で挑んだが、見延、徳南両選手は専門外の種目とあって3試合とも1―2で敗れた。 試合を終え「何の後悔もなく、良い形で現役を終えられる」と徳南選手。見延選手は「すごく楽しかった」、阪野選手は「2人が頑張っている姿を見たら、自分も頑張らなきゃと思った」と話した。観客席で見守った諸江さんは「3人それぞれの持ち味を出して戦ってくれた。俺の中のドリームチーム」と自慢の教え子の健闘をたたえた。 ドリームチームは9、10日にエペ団体戦に臨む。
福井新聞社