撤退観測も飛ぶ「みんなの銀行」は浮上できるか、若年層傾倒が裏目でタイムリミット残り4年
■FFGもテコ入れ急ぐ 投資家の突き上げを食らっているFFGが、みんなの銀行の経営に関与を強めるかも焦点だ。4月1日、FFGでDXを所管する藤井雅博執行役員が、みんなの銀行の代表取締役会長に就任した。FFGの商品をみんなの銀行経由で販売したり、みんなの銀行が開発したシステムをFFGに提供したりするグループ間取引が増えそうだ。 他方、みんなの銀行は経営の独立性を尊重すべく、これまではFFGからの露骨な「ミルク補給」には慎重だった。今後もデジタル投資や広告宣伝の手は緩めない意向で、親会社との取引を増やしつつも一定の距離感を保てるかが問われることになる。
みんなの銀行はかねて、自らを「ネット銀行」ではなく、デジタル技術を駆使して新たな金融サービスを提供する「デジタルバンク」と称する。預貸という伝統的な銀行業に頼らず、システムの外販やBaaSで稼ぐビジネスモデルに脱皮できるかは、デジタルバンクの将来性を占う試金石でもある。
一井 純 :東洋経済 記者